米連邦最高裁、選挙区画定における人種的配慮に制約
米連邦最高裁は29日、南部ルイジアナ州の連邦下院選挙区画定をめぐり、人種構成を過度に重視した区割りは憲法の下の平等を保障する規定に違反するとした下級審の判断を支持する判決を下した。この判決は、選挙区画定における人種的配慮に制限を課すものであり、黒人有権者を含む非白人の政治的影響力が低下する恐れがあるとして、黒人団体から「重大な後退だ」との強い批判が上がっている。
黒人や中南米系の有権者は、野党・民主党の支持者が多いとされる。ルイジアナ州では、11月の中間選挙に向けた予備選が5月16日に予定されており、関係各所は今後の対応を急いでいる。与党・共和党にとっては、自党に有利な区割り変更を全米各地で加速させる口実となる可能性があり、政治的な波紋が広がっている。
ルイジアナ州の区割りをめぐる経緯
ルイジアナ州は2022年、州内6つの選挙区のうち、人口の約3割を占める黒人有権者の多くを一つの選挙区に集中させるような区割りを設定した。この区割りは、選挙における人種差別を禁じる投票権法に違反するとして地裁が違法判断を下した。これを受け、州議会は黒人有権者が多数を占める選挙区を二つに増やす修正を行った。しかし、その後「非黒人」の有権者らが、この修正は逆に黒人を優遇し、憲法違反にあたると提訴。今回の最高裁判決は、この訴えを認める形となった。
今後の影響と反応
今回の判決は、選挙区画定をめぐる人種的配慮の限界を明確にしたものとして注目される。黒人団体は声明で「この判決は、長年にわたる投票権の保護を後退させるものだ」と非難。一方、共和党側は「人種に基づく区割りは不公平であり、法の下の平等にかなう」と評価している。今後の連邦下院選挙では、政党間の駆け引きが一層激しくなると予想される。



