国連食糧農業機関(FAO)などは24日、紛争や自然災害により深刻な食料不足に陥った人々の数を示す「急性飢餓人口」が、調査対象となった47カ国・地域で2025年に2億6570万人に上ったとする報告書を公表した。これは対象国・地域の総人口の22.9%に相当する極めて高い水準であり、主要因である紛争の解決に向けた国際的な取り組みの必要性を強く訴えている。
紛争が最大の要因
報告書によると、紛争によって約1億4000万人が急性飢餓に陥り、要因別で最も多かった。特に中東では、米国とイスラエルによるイラン攻撃などで紛争が激化しており、2026年の見通しについても、エネルギー価格や物流コストの上昇が「世界の農業・食料市場に広範なリスクをもたらす」と懸念を示している。
国別の深刻な状況
国・地域別では、ナイジェリアが3060万人で最多。続いてコンゴ(旧ザイール)が2770万人、スーダンが2460万人と続き、上位10カ国で全体の約3分の2を占めている。これらの国々では長期化する紛争や政情不安が食料生産や流通を阻害し、人々の生活を直撃している。
また、昨年10月にイスラエルとイスラム組織ハマスの間で停戦が発効したパレスチナ自治区ガザでは、依然として全人口に相当する約200万人が深刻な食料不足に直面していると指摘。停戦後も人道支援の十分な届かない状況が続いており、国際社会のさらなる支援が求められている。
今後のリスクと課題
報告書は、紛争に加えて気候変動や経済危機も飢餓を悪化させる要因として挙げており、各国政府や国際機関が協調して対策を講じる必要があると強調。特に、紛争地域での停戦と和平合意の推進、農業支援や食料安全保障の強化が急務とされている。



