米国との軍事的緊張が続くイランの首都テヘランでは、反米プロパガンダの掲示物が次々と設置されている。広島や長崎への原爆投下に関するポスターも登場し、過去の戦争で米国が行ったとされる「非道行為」を訴え、国民の結束を促したい指導部の思惑が透けて見える。
旧米大使館前の通りに巨大な絵
1979年の米大使館人質事件の舞台であり、現在に続く米イランの対立の原点となった旧米大使館前の通りには、広島や長崎への原爆投下に加え、ベトナム戦争やベネズエラのマドゥロ大統領拘束など、米国による他国への軍事介入を紹介する巨大な絵が掲示されている。
長崎の「焼き場に立つ少年」をモチーフに
テヘランの随所には、原爆投下後の長崎で撮影された「焼き場に立つ少年」の写真をモチーフにしたとみられる絵が飾られていた。これらの掲示物は、反米イスラム体制のイランにおいて、国民の反米感情を高める目的があると考えられる。
イランでは学校の歴史の授業で、米国の象徴的な「非道行為」として原爆投下を学ぶのが一般的だ。また、米イスラエルに殺害された前最高指導者アリ・ハメネイ師は核兵器を宗教的禁忌とし、製造の方針はないと訴えていた。今回のプロパガンダは、こうした背景を踏まえ、国民の結束を強化する狙いがあるとみられる。



