米国のシンクタンク「ピーターソン国際経済研究所」は24日、トランプ前政権が中国に対して発動した関税措置について分析した報告書を公表した。報告書は、関税が中国経済に与えた影響は限定的であり、むしろ米国企業や消費者に打撃を与えた可能性が高いと指摘している。
関税の効果を疑問視
報告書は、トランプ前政権が2018年から中国製品に課した追加関税について、中国の輸出や経済成長に対する抑制効果は限定的だったと分析。むしろ、関税の負担の大部分は米国企業や消費者に転嫁され、米国経済に悪影響を及ぼしたと結論づけている。
中国への直接的な打撃は軽微
報告書によると、関税の影響で中国の対米輸出は減少したものの、中国企業は輸出先を他の国や地域にシフトすることで対応。その結果、中国の総輸出額や経済成長率への影響は限定的だったという。また、中国は米国からの輸入を減らすことで、貿易黒字を縮小させるなどの調整を行ったとしている。
米国企業と消費者への打撃
一方、米国企業は関税の影響で輸入コストが上昇し、その一部を価格転嫁することで消費者に負担が及んだ。報告書は、関税によって米国の製造業の雇用が増加したという証拠は乏しく、むしろ一部の産業では雇用が減少した可能性を指摘。関税の目的であった中国の「不公平な貿易慣行」の是正にもほとんど効果がなかったと結論づけている。
今後の政策への示唆
報告書は、関税政策の有効性を疑問視し、今後の貿易政策の立案においては、関税以外の手段を検討する必要があると提言。具体的には、同盟国との連携強化や、WTO(世界貿易機関)のルールに基づいた紛争解決メカニズムの活用などを挙げている。
今回の分析結果は、トランプ前政権の貿易政策の評価に一石を投じるものとなっている。バイデン政権はトランプ前政権の関税の一部を維持しているが、今後、見直しを迫られる可能性もある。



