台湾民衆党・柯文哲前主席に懲役17年判決、総統選出馬資格事実上失う
台北地裁は26日、台北市長時代に土地開発を巡る収賄事件で、台湾民衆党の柯文哲(クォーウェンジョオー)前主席に対し、懲役17年と公民権停止6年の判決を言い渡した。検察側が求刑した懲役28年6月などよりも軽い量刑となったものの、台湾の法律では懲役10年以上の有期刑を受けた者は総統・副総統候補になれないと規定されており、次期総統選への出馬資格を事実上失うことになった。
収賄など4つの罪で有罪判決
判決によると、柯氏は台北市長在任中、土地開発事業を巡って業者に便宜を図り、総額1710万台湾ドル(約8500万円)の賄賂を受け取ったとされる。これにより、収賄罪を含む4つの罪に問われ、厳しい刑罰が下された。裁判所は、公職にある者が職権を濫用して不正利益を得た行為を重く見て、長期の懲役刑を科した。
柯氏は若者層を中心に高い支持を集めており、2024年の総統選では26.46%の得票率を獲得し、与党・民進党と最大野党・国民党の候補者を脅かす存在だった。2028年の総統選への立候補も期待されていたが、今回の判決により、その可能性は大きく後退した。
柯氏側は控訴の意向、裁判長期化で政治活動に影響
柯氏は判決後の記者会見で、「捏造された案件で、柯文哲を汚職犯に仕立てようとしている」と強く反発し、頼清徳(ライチンドォー)総統の名を挙げて「私は屈しない」と語った。柯氏側は控訴する意向を示しているが、裁判の長期化が予想され、その間は政治活動に制限がかかる見通しだ。
台湾の政治情勢では、民衆党が第三極として台頭し、二大政党制に風穴を開けていたが、党の創設者である柯氏の判決は、同党の今後の戦略に大きな影響を与えそうだ。特に、次期総統選を控え、候補者選びや支持基盤の維持が課題となる。
この判決は、台湾における汚職防止の厳格な姿勢を示す一方で、政治的な駆け引きの要素も指摘される。国際社会からも注目される中、今後の控訴審の行方や、台湾の民主主義の健全性への影響が注視されている。



