兵庫県は、地方債の発行に総務大臣の許可が必要となる「起債許可団体」に転落する見通しであることを受け、財政健全化に向けた有識者による検討会を設置し、29日に初会合を開いた。斎藤元彦知事が掲げる財政健全化と必要な投資の両立に向け、投資事業のあり方などについて議論を進める。
実質公債費比率が18%超えへ
地方財政法では、財政指標の一つである「実質公債費比率」の直近3年間の平均値が18%以上となると、地方債の発行に総務相の許可が必要となる。県は2025年度決算でこの比率が18%を超える見通しであり、夏にも確定する予定だ。
指標悪化の要因分析
初会合で県は、指標悪化の要因として以下の点を報告した。
- 財政規模などが同水準の他自治体と比べ、24年度までの投資的経費が1.2倍に上ること
- 阪神大震災の復旧復興などで約5000億円を取り崩した影響で県債管理基金が不足していること
- 金利上昇により県債利払いが増加していること
また、来年度から投資規模を20%削減した場合、53年度に実質公債費比率が18%を下回るとの試算も示された。
検討会の構成と今後の予定
検討会の委員は、地方財政や地域経済などに詳しい有識者8人が務める。県が総務省に提出する必要がある「公債費負担適正化計画」を策定する8月までに再度開催し、財政構造や計画の内容を検討する予定だ。
斎藤知事は「災害や地域経済に必要なインフラ整備だったという面があり、当時の状況では一つの判断だったが、現在の金利上昇局面では公債費負担が大きくなっている」と述べ、課題認識を示した。



