伊方原発3号機の運転差し止め請求を棄却 山口地裁岩国支部が判決
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求めた訴訟で、山口地裁岩国支部は2026年2月26日、原告側の請求を棄却する判決を言い渡しました。この訴訟は、東京電力福島第一原発のような過酷事故が発生した場合、対岸の山口県でも被害が生じ、人格権が侵害されると主張する同県民ら約160人が提起したものです。
地震と火山の安全性が主な争点に
裁判の主な争点は、原発付近を走る断層が活断層かどうかを含む地震リスク、および火山噴火に対する安全性でした。原告側は2017年に提訴し、伊方原発前を走る中央構造線が活断層であると指摘。四国電力が実施した海上音波探査は精度が低く、活断層の有無を調査する信頼性に欠けると訴えました。さらに、阿蘇山(熊本県)が噴火した際に火砕流が到達する可能性があり、噴火影響評価が不適切だと主張していました。
判決理由:規制委員会の判断は不合理ではない
小川暁裁判長は判決理由で、四国電力が行った海上音波探査などの調査は詳細であり、伊方原発周辺の断層が活動したことを示す変位は確認されないと述べました。原子炉設置変更などを許可した原子力規制委員会の判断は不合理ではないと指摘。火山に関しても、阿蘇山が巨大噴火の差し迫った状態にあるとは評価できず、規制委員会の見解は不合理ではないとしました。
この判決により、原告側の運転差し止め請求は退けられ、伊方原発3号機の運転継続が認められる形となりました。訴訟は地域の安全を巡る重要な議論を引き起こし、今後の原子力政策にも影響を与える可能性があります。



