中東情勢の悪化により化石燃料の供給が滞る中、愛知県の大村秀章知事と名古屋市の広沢一郎市長らが29日、首相官邸で高市早苗首相と面談し、水素エネルギーの利用促進強化を求める緊急声明を手渡した。首相は「ピンチをチャンスに変える時だ」と応じた。
水素社会実現に向けた提言
声明は5項目で構成され、エネルギー転換を図るために2032年度までの10年間で20兆円を発行する国債「GX経済移行債」を33年度以降も延長することや、国が創設を検討している新たな投資枠で水素施策への配分を手厚くすることなどが盛り込まれた。
全国の首長が連名
声明は東京都、北海道、福島、神奈川、山梨、愛知、兵庫、福岡各県の8知事と川崎、名古屋、福岡の3市長の連名で提出された。大村知事が燃料電池商用車の導入促進などに取り組む自治体に呼びかけて取りまとめた。
面談の内容
面談は冒頭以外は非公開。大村知事によると、首相は「脱炭素の観点からも水素を活用していきたい」と述べた。東京都の小池百合子知事は、太陽光発電などの研究が進む契機となった1970年代の石油危機を引き合いに水素施策の重要性を訴え、首相の賛同を得たという。
この緊急声明は、化石燃料に依存しない持続可能なエネルギー社会の実現を目指すものであり、今後の政策に大きな影響を与えると期待される。



