財務省が28日に発表した4月の貿易統計(確速値)によると、プラスチックや合成繊維の原料であるナフサの輸入量が、前年同月比47.0%減の114万4188キロリットルとなった。ホルムズ海峡の封鎖により中東からの輸入が79.1%減少した一方、代替調達が一定程度進み、中東以外からの輸入は52.4%増加した。
中東依存度が大幅に低下
中東からの輸入量は34万1728キロリットルで、全体の約30%を占めた。これまでは約70%を中東に依存していたが、米国とイランの戦闘に伴うサプライチェーンの混乱で大幅に減少した。特にイランやサウジアラビアからの調達が困難になり、国内企業は調達先の多様化を迫られた。
米国からの輸入が約209倍に急増
代替調達先として最も顕著だったのは米国で、輸入量が27万2534キロリットルと前年同月の約209倍に急増。国・地域別で最大の供給源となった。また、アルジェリアや韓国からの輸入も増加し、調達先の分散化が進んでいる。
ナフサはエチレンやプロピレンなどの基礎化学品を経て、プラスチックや合成繊維、合成ゴムなど幅広い製品の原料となる。今回の輸入減少は、国内の化学工業や繊維産業に影響を及ぼす可能性がある。ただし、代替調達の進展により、当面の供給は確保されているという。
専門家は「中東情勢の緊迫化が長期化すれば、コスト増や供給不安が再燃する恐れがある。企業はさらなる調達先の多様化と在庫確保が求められる」と指摘している。



