群馬県長野原町にある入寮型のギャンブル依存症回復施設「AREA軽井沢」の開設1周年を記念し、ギャンブル等依存症問題啓発週間に合わせたフォーラムが20日、町住民総合センターで開催された。当事者やその家族、行政、医療関係者らが参加し、ギャンブル依存症の実態と回復への道のりについて理解を深めた。
フォーラムの概要
フォーラムのテーマは「Change だから私たちはここにいる」。基調講演と施設紹介の後、AREA軽井沢で生活した経験を持つ男性2人が自身の体験を発表した。
キョウさんの経験
山形県出身のキョウさん(29歳)は、昨年4月から9カ月間入寮生活を送った。当初は周囲の助言を素直に受け入れられず、反発することもあったが、仲間と向き合う中で自分の欠点を認め、当たり前のことを当たり前に続けることの大切さを学び、回復につながったと語った。
ツバサさんの体験談
埼玉県出身のツバサさん(23歳)は、ギャンブル依存症の恐ろしさを生々しく語った。きっかけは競馬で、「人生経験の一つ」という軽い気持ちから始めた。賭け金は当初100円から500円程度だったが、給料日に賭けた1万円が3万円、さらに30万円になったことで金銭感覚が狂い、歯止めが利かなくなった。
その後も賭け金は膨らみ、21歳になる前に口座残高は1000万円を超えた。しかし、次第に負けが込むようになると残高は急激に減少し、やがて借金を重ねる羽目に。親には事業に失敗したと嘘をつき、何度も肩代わりを頼んだという。
「ギャンブルをやめればいい」と周囲からは単純に思える状況だったが、本人にはそれができなかった。悪いと分かっていても、苦しいと分かっていても、やめられない。ツバサさんは「なぜ止まらないのか、自分でも分からなかった」と当時の苦しみを切々と訴えた。
回復への道
昨年5月にAREA軽井沢に入寮。脱走を試みたこともあったが、「ギャンブル以外のことで笑い合って話せる仲間がいることが、自分にとっては大きい」とし、仲間に支えられてギャンブルのない生活を続けられていると語った。今年1月からはスタッフ研修を始め、今度は自分が仲間を支える立場にもなっているという。
フォーラムでは、参加者から「回復の過程で最も困難だったことは何か」などの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われた。主催者は「依存症は決して特別な問題ではなく、誰にでも起こりうる。回復には周囲の理解と支援が不可欠だ」と訴えた。



