読売新聞「Web句会」第28回「テレビ」入選作発表 3793句から選ばれた秀逸12句
「Web句会」テレビ入選作発表 3793句から12句選出

読売新聞「Web句会」第28回「テレビ」入選作が決定 3793句から秀逸12句を選出

読売新聞オンライン(YOL)が主催する「Web句会」第28回の入選者が発表されました。今回のテーマは「テレビ」。全国から1746人によって寄せられた合計3793句の中から、選者の片山一弘編集委員が秀逸な12句を選び、詳細な講評を行いました。

テーマ「テレビ」に込められた多様な視点と現代的な表現

テレビはほぼ万人の日常に溶け込んだ機器であるため、参加者それぞれの体験や思いが詠まれ、バラエティに富んだ内容となりました。片山編集委員は、特にテレビの現在を象徴するような句を中心に選出しました。

ハードウェアとしてのテレビの変遷を感じさせる句として、「壊れたと角を叩くにゃ薄すぎる」が挙げられます。昭和時代のブラウン管テレビでは、映りが悪い時にたたくことで回復することもありましたが、現代の薄型液晶テレビではそのような行為も難しい状況をユーモラスに表現しています。

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同様に薄さに着目した「薄型で貞子這い出る余地もなし」は、ホラー映画「リング」の有名なシーンを引用し、テレビの形状変化を巧みに描いています。ブラウン管から薄型への移行が、文化的なイメージにも影響を与えていることを示唆する作品です。

テレビ受像器の役割変化と視聴スタイルの多様化

家庭内でのテレビの使われ方も大きく変化しています。「『テレビ見る』映ってるのはユーチューブ」という句は、テレビ受像器がインターネットコンテンツの表示装置として活用される現代の状況を端的に表現しています。リモコンに配信サイトのボタンが標準装備されるなど、受像器はテレビというよりモニターと呼ぶ方が適切な時代になりつつあります。

視聴スタイルに関しては、「手にスマホ目線はテレビリアタイ派」が注目されます。人気番組をリアルタイムで視聴しながら、SNSで感想を共有する「ネオ茶の間」現象は、2010年頃から指摘されていましたが、現在も活発に続いています。テレビ放送とデジタルコミュニケーションの融合を象徴する句です。

災害報道と同時性におけるテレビの重要性

テレビの社会的役割を強調する句も見られました。「地震起きスマホの通知でテレビ付け」は、災害時にスマートフォンの速報サービスで最初の情報を得た後、詳細な経過をテレビで確認する現代の行動パターンを描いています。大勢の視聴者に同時に情報を伝える放送の優位性を再認識させる作品です。

また、「当落とメダル速報同画面」は、衆院選の投開票日と冬季オリンピックの開幕が重なった状況を詠んでいます。選挙速報とスポーツ大会という、同時性と速報性が求められる分野で、テレビが依然として重要なメディアであることを示しています。

テレビへの個人的な愛着と文化的アイコン

テレビに対する個人的な感情を吐露する句も多数寄せられました。「一人でも寂しくはない我が相棒」は、家で過ごす時にテレビをつけておく習慣を持つ人々の心情を代弁しています。現役世代からも、テレビが日常の相棒として認識されている実態が窺えます。

文化的な側面では、「テレビとはとどのつまりは徹子さん」が印象的です。黒柳徹子さんは、日本でテレビ放送が始まった1953年2月1日から第一線で活躍し続けており、まさにテレビの歴史そのものと言える存在です。この句は、テレビ文化を象徴する人物への敬意と親しみを感じさせます。

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選ばれた秀逸12句と次回テーマの発表

今回選ばれた入選作12句は以下の通りです(掲載句には選者が若干の修正を加える場合があります)。

  1. 真夜中に眠れずテレビ付けてみる(京都府・シゲ)
  2. 壊れたと角を叩くにゃ薄すぎる(栃木県・ちゃーやん)
  3. 薄型で貞子這い出る余地もなし(東京都・半井三山)
  4. 撤退のニュースを映す中国製(東京都・のんき)
  5. 「テレビ見る」映ってるのはユーチューブ(東京都・りんさく)
  6. 手にスマホ目線はテレビリアタイ派(東京都・恵恵)
  7. 当落とメダル速報同画面(神奈川県・さくらこまち)
  8. 地震起きスマホの通知でテレビ付け(千葉県・小饅頭強い)
  9. 倍速で見られぬテレビじれったい(東京都・不良牛)
  10. テレビとはとどのつまりは徹子さん(山口県・のんちゃん)
  11. 一人でも寂しくはない我が相棒(兵庫県・やまさん)

Web句会第29回のテーマは「コンビニ」に決定しました。日本にコンビニエンスストアが誕生して半世紀以上が経過し、身近で欠かせない存在であるとともに、次々と新しいサービスが登場する場でもあります。コンビニに感じる時代の変化を川柳に詠んでみてください。応募締め切りは4月5日です。