2026年秋冬パリ・ファッションウィーク、各ブランドが「らしさ」を前面に押し出す
今月初旬に開催された2026年秋冬シーズンのパリ・ファッションウィーク(PFW)では、各ブランドが自らの強みを前面に押し出したコレクションが際立った。国際情勢の緊張が漂う中、ファッション界の巨匠たちが独自の美学を追求する姿が印象的だった。
緊張感漂う会場とコムデギャルソンの漆黒の提示
開幕前々日には、米国とイスラエルによるイラン攻撃が発生。序盤には航路の混乱によりパリ入りが遅れる関係者も出るなど、会場には重苦しい空気が流れていた。そうした状況下で、コムデギャルソンの川久保玲が提示したのは漆黒のドレス群だった。
薄手のジョーゼットを多用し、無数のひだやドレープを重ねたルックが次々と登場。差し色としてピンクを挟みつつも、1980年代初頭のパリでの初ショー「黒の衝撃」を想起させる色彩構成となった。川久保玲は周囲に「私の創造を表現する色は…」と語り、独自の美学を貫いた。
シャネルとザ・ロウの「らしさ」を賭けた勝負
今回のパリ・ファッションウィークでは、シャネルとザ・ロウもそれぞれの「らしさ」で勝負を挑んだ。各ブランドが持つ歴史や哲学を現代的な解釈で表現し、ファッション界における存在感を示すことに注力していた。
国際的な緊張が高まる中、ファッションが持つ文化的な力と創造性の重要性が改めて浮き彫りになった。パリ・ファッションウィークは単なるトレンド発信の場ではなく、ブランドの本質を問い直す機会となったのである。
編集委員の後藤洋平は、ファッション・メディア・文化担当として、このコレクションを詳細にレポート。各ブランドの戦略と表現の深さを分析している。



