谷川俊太郎の詩の世界を合唱で紡ぐ感動の公演
詩人の故・谷川俊太郎さんの言葉と歌の世界を合唱で楽しむコンサート「谷川俊太郎、うたの地平へ―どこからか言葉が―」が2026年3月22日、東京都文京区の文京シビックホールで開催されました。この公演は全日本合唱連盟と朝日新聞社が主催し、多くの合唱愛好家や文学ファンが集まりました。
実力派合唱団による多彩な演奏
首都圏で活動する七つの実力派合唱団が出演し、会場を埋め尽くしました。第1部と第2部では、谷川さんの詩をもとにした合唱曲の数々が披露されました。「鉄腕アトム」(高井達雄さん作曲)や「夏が終る」(小室等さん作曲)など、様々なジャンルの楽曲が演奏され、観客を魅了しました。
特に注目されたのは第3部です。谷川さんが2024年11月に亡くなるまで朝日新聞に連載していた「どこからか言葉が」から、新実徳英さん、木下牧子さんら6人の作曲家がそれぞれ詩を選び、新たに作曲した6曲が初演されました。これらはすべて世界初演となる貴重な作品です。
観客も一体となった感動のフィナーレ
公演の最後には、全合唱団と満員の1800人近い観客が一体となって木下牧子さん作曲の「春に」を合唱しました。会場は大きな拍手に包まれ、感動的な雰囲気に満ち溢れました。
出演者全員で「きみ歌えよ」(信長貴富さん作曲)を合唱する場面もあり、谷川俊太郎の詩の世界が音楽を通じて鮮やかに蘇りました。
長男・賢作氏の「感無量」の言葉
第2部に出演した谷川さんの長男で音楽家の賢作さんは、公演後に感想を語りました。声を詰まらせながら「感無量です」と述べ、「これからも父の曲が歌い継がれていくことでしょう。父とたくさん対話ができました」と語りました。父親の作品が新たな形で受け継がれていく様子に、深い感慨を抱いている様子が伝わりました。
この公演は、谷川俊太郎の詩が持つ普遍的な魅力と、それを音楽として昇華させた合唱の力を改めて感じさせる機会となりました。文学と音楽の融合が生み出す豊かな世界観が、多くの観客の心に響いた一夜でした。



