ショパンコンクール覇者エリック・ルー、世界ツアーで自由な表現を追求 新たな発見を語る
エリック・ルー、世界ツアーで自由な表現を追求

ショパンコンクール覇者エリック・ルー、世界ツアーで自由な表現を追求

昨年のショパン国際ピアノ・コンクールで優勝した米国出身のピアニスト、エリック・ルー(28)が、世界中で引っ張りだこのコンサートツアーを続けている。休むことなく続くツアーの最中に、彼はどのようなことを考え、今後の進路をどのように定めているのか。コンサートの合間に話を聞いた。

ツアーでの新たな発見と自由な表現

「このクレイジーなツアーもそろそろ一段落。今は十分に眠ることだけを考えています」と、エリック・ルーは笑顔で語る。昨年11月以来、数か月に及ぶ世界ツアーをこなし、東京でも1月下旬、他の6人の入賞者と共にガラ・コンサートに出演。コンクール本選で弾いたショパンのピアノ協奏曲第2番を披露した。

「経験を積んだおかげで、音楽が内包するドラマをより自由に表現できるようになりました」と彼は説明する。同じ曲を繰り返し弾くことについて、飽きるかと問われると、「いえ、むしろ逆です。ミスしてはいけないというプレッシャーから解放され、演奏を楽しんでくれるお客さんの前に出ると、弾くたびに新たな発見がある」と返答した。

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長い道のりを経て得た自信

落ち着いた口調には、余裕が感じられる。17歳だった2015年に4位入賞したショパン・コンクールから10年、再挑戦で栄冠をつかむまでの長い道のりを歩んできた自信がにじむ。「あまりにも長い期間をコンクールの準備に費やしたので、コンサートが新鮮に感じられる」と振り返る。いわば「リハビリ中」の状態だという。

ショパンだけに全力投球するわけではない。1月に発売されたシューベルト「即興曲集」(ワーナー)からは、表面的な華やかさを避けて内省的で沈思黙考するピアニストの素顔が浮かび上がる。

音楽への深い探求と将来の展望

「シューベルトには暗い感情や『痛み』がある。だからこそ一瞬現れる希望が心を打つ。晩年のピアノ三重奏曲やバイオリンとピアノのための幻想曲、弦楽五重奏曲などはとても深い情緒をたたえています」とエリック・ルーは語る。

そうした音楽を学ぶには時間が必要だ。「私は曲の勉強に長い時間をかけますし、実際の演奏で自分なりの手応えを得るまでに20回ぐらい弾かなくてはいけない。だからコンサートが増えすぎないように注意したい」と話す。

エリック・ルーにとって音楽は人生そのものだ。「何でも自由にやっていいと言われたら、ブラームスの交響曲の楽譜を読むでしょうね。ピアノだけがすべてではない」と述べ、将来は指揮にも挑戦したいと意欲を示した。「いずれ指揮も勉強したい。バッハのミサ曲を指揮できたらどんなにすばらしいか!」と語る。5年後、10年後にどんな音楽家に成長しているか、期待が高まる。

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