Ado、半生を綴った小説「ビバリウム Adoと私」を語る…素顔の半生と心境の変化
Ado、小説「ビバリウム Adoと私」で半生を語る

Ado、初の半生小説「ビバリウム Adoと私」で素顔の半生を明かす

素顔がベールに包まれた歌い手・Ado(23)が、自身の半生をモチーフにした小説「ビバリウム Adoと私」(小松成美著、KADOKAWA)を刊行した。幼少期から音楽との出会い、不登校時代の葛藤までを「物語」として綴った一冊で、なぜ今、過去の一端を明かしたのか。原作者である本人が胸の内を語った。

素顔を隠す理由と心境の変化

2020年、17歳で「うっせぇわ」で鮮烈なメジャーデビューを果たしたAdoは、有名アーティストとの楽曲が大ヒットし、世界ツアーを開催するなど、音楽シーンの第一線で活躍を続けている。名前は狂言のアド(脇役)から取ったという。これまで素顔を明かさずに活動してきたが、「どこかで、自分の人生のことを聞いてもらいたいと思っていました」と打ち明ける。

小説の形式を取っているが、「心情はすべてノンフィクション」だと強調。挿絵はアーティスト写真を手がけるORIHARAさんが担当し、幼少期の服装などをリクエストしたという。Adoは、「私が過ごしてきた生活、家庭環境はもしかすると少し特殊だと思うので、意外に思われるかもしれない。でも、ラジオでは語りきれないこともあったが、話してきたので、葛藤は正直なかったです」と語り、3年にわたる著者の取材に応じた経緯を説明した。

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不登校時代と音楽への没頭

両親から溺愛された幼少期、夢中になったボーカロイド(歌声合成ソフト)、「歌ってみた」動画との出会いなど、様々な転機があった中で、不登校になった中学3年生の頃を、「今の自分にとって欠かせない時期だった」と位置づける。学校には行けなかったが、溺れるように音楽に浸り、家ではクローゼットを「秘密基地」代わりにして、好きな曲を聴き、歌を録音した。

Adoは、「好きなものに触れる時間がたくさんあって、自分とすごく向き合いました。良くも悪くも、今のAdoの影の部分を形成した部分かなと思います」と振り返る。そのクローゼットを「箱庭」に見立て、小説に「ビバリウム」(植物などを育てる展示ケース)とタイトルを付けた。

10代の葛藤と20代の心境変化

10代では、「駄目じゃなくなりたい。自分に負けたくない」と無我夢中で、「別にきれいに生きる必要もない。はいつくばって、はい上がるぞ、みたいな気持ちで過ごしていました」と語る。野心や執念を持ち、夢をかなえようともがいた日々を経て、20代になって湧き上がってきたのは、「恩返しをしたい」という思いだ。

「10代特有の粗さ。それが私の歌にとってエネルギーなので、その気持ちを忘れたくはない」としながらも、「誰かのためになりたいという気持ちがすごく大きくなってきました」と心境の変化を明かす。大事にしている言葉は、「私は大丈夫」で、迷った時や不安になった時に自分を奮い立たせるために使うという。

同名曲の制作とグラミー賞への夢

今回、小説を基に制作した同名タイトルの歌も作詞作曲した。初めは作る予定はなかったが、昨年の秋にやりたい思いがこみ上げてきた。完成したのは、今の自分と過去の自分に言いたいことを書き連ねた激しいロック曲で、「稚拙な部分、そういう粗も含めて、疾走感が曲として体現されていたらいいなと思います」と語る。ミュージックビデオでは「実写」で登場し、話題を呼んだ。

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果たしたい夢は、「グラミー賞を取ることです」と力強く宣言。歌い手として、ライブを楽しむファンの姿が心の支えだとし、「多様なジャンルの歌の面白さを伝え、誰かの感情を代弁できたら。これからも面白い、楽しい、心地よい歌を届けていきたいです」と意欲を語った。