衆院選買収事件で元都議ら3人逮捕 運動員への現金支払いが発覚
2026年2月8日に投開票が行われた衆院選において、運動員に対して報酬として現金を支払った疑いで、警視庁は20日夜、元東京都議会議員でマネジメント会社社長の入江伸子容疑者(63)ら女性3人を公職選挙法違反(買収)の疑いで逮捕しました。入江容疑者は東京7区(港区・渋谷区)から国民民主党公認で立候補していましたが、落選していました。
「ボランティア」募集しながら現金27万円を支払った疑い
捜査関係者によると、逮捕されたのは入江容疑者の他、SNS運用会社社長の菅原京香容疑者(25)と、選挙陣営で会計を担当していた佐藤芳子容疑者(63)の合わせて3人です。警視庁の調べでは、3人は共謀して2026年1月下旬から2月上旬にかけて、入江容疑者の運動員を務めた10代から20代の女性5人に対し、ビラ配りなどの選挙運動に対する報酬として、現金合計27万円を支払った疑いが持たれています。
さらに警視庁は、逮捕容疑となった5人を含む運動員10人以上に対し、少なくとも現金合計約45万円が支払われたとみて捜査を進めています。運動員の多くは大学生で、SNS運用会社のインターン生が中心だったとされています。
SNSで「ボランティア」募集しながら裏で報酬支払い
入江容疑者は選挙運動に際し、SNS上で「ボランティア」を募集していましたが、実際には知人である菅原容疑者を通じて運動員を集めるよう依頼し、報酬を支払っていたとみられています。このような行為は、公職選挙法が禁じる買収に該当する可能性が高いと指摘されています。
現金を受け取った運動員らについても、警視庁は公職選挙法違反(被買収)の疑いで任意捜査を行っています。公職選挙法は、投票や選挙運動に対する報酬として有権者や運動員を買収することを明確に禁止しており、違反した場合は罰則が科せられます。
元都議の経歴と選挙結果
入江伸子容疑者は、フジテレビ社員を経て2017年から2025年まで東京都議会議員を2期務めました。2026年衆院選では東京7区から立候補し、候補者6人中4番目となる約2万1千票を獲得しましたが、落選しました。投開票日の翌日である2月9日には、自身のSNSに「今回の結果を受け、政治家としての活動に一区切りをつける決断をいたしました」と投稿していました。
今回の逮捕は、戦後最短の日程で実施された衆院選における買収疑惑として注目を集めており、選挙運動における報酬の適切な取り扱いや、SNSを活用した選挙活動の在り方について改めて議論を呼ぶ可能性があります。警視庁は今後、詳細な動機や資金の流れについてさらに捜査を進める方針です。



