映画「90メートル」監督と俳優が学生と対話 ヤングケアラーと介護の現実を語る
映画「90メートル」監督が学生と対話 ヤングケアラー描く (27.03.2026)

映画「90メートル」監督と俳優が学生と対話 ヤングケアラーの現実と介護の意義を語る

2026年3月19日、東京都港区の明治学院大学で、映画「90メートル」のティーチイン上映会が開催されました。このイベントには中川駿監督と、訪問介護ヘルパーの役を演じた俳優の荻野みかんさんが登壇し、福祉業界を志望する学生たちと活発な質疑応答が行われました。

ヤングケアラーの葛藤と希望を描く作品

映画「90メートル」は、ALSを発症した母親を介護する高校生の息子を主人公に据えた物語です。作品では、24時間介護体制が整い、息子が介護から解放された後も、自分の人生をどう生きるべきか悩む姿が描かれています。

中川監督は学生たちに対し、次のように語りました。「多くの作品がヤングケアラーが失っていく過程を描く中、この映画は失ったものを取り戻す過程に焦点を当てています。逆説的なアプローチで、ヤングケアラーを支える人々の必要性を伝え、エンターテインメント性も追求しました」と説明しました。

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介護現場のリアルな声

現役の訪問介護ヘルパーでもある荻野みかんさんは、ヤングケアラーへの支援について深い洞察を語りました。「ヤングケアラーの方々は、自身の大変さに気づいていない場合が多く、それが危険でもあります。介護の仕事では、相手の心の奥底にある感情に触れるのは難しいですが、寄り添う姿勢が何よりも重要です」と述べました。

さらに荻野さんは、「直接言葉を交わさなくても、そばにいるだけで支えになることがある。映画でもそのようなシーンを大切に描きました」と付け加えました。

福祉制度の課題と介護職の誇り

日本の福祉制度について問われた中川監督は、現状の課題を指摘しました。「制度自体は整っているものの、認知度が低く、ヘルパーなどの人材不足で実現できない問題があります。介護の仕事のやりがいは外から見えにくいかもしれませんが、現場で働く方々の誇りを作品を通じて表現したい」と語りました。

荻野さんもこれに同意し、「介護の仕事は人に力を与えられる尊い職業です。この作品が、介護職を見つめ直すきっかけとなり、働く人々が誇りを持てるようになることを願っています」と述べました。

学生たちとの意義深い交流

このティーチイン上映会には、明治学院大学をはじめ、国際医療福祉大学や北里大学に通う福祉志望の学生たちが多数参加しました。彼らはヤングケアラーや福祉の視点から鋭い質問を投げかけ、監督と俳優との間で実りある対話が展開されました。

学生たちは、映画を通じて介護の現実と向き合い、将来のキャリアについて考える貴重な機会を得たようです。このような教育現場での取り組みが、福祉人材の育成と社会問題への理解を深める一助となることが期待されます。

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