住友林業グループ、福島・いわき市に大規模製材工場を開業 国産材活用で林業活性化
福島・いわき市に大規模製材工場開業 国産材で林業活性化

住友林業グループ、福島・いわき市に大規模製材工場を開業 国産材活用で林業活性化へ

住友林業グループの「木環(こわ)の杜(もり)」が福島県いわき市に建設を進めていた大規模製材工場が24日、操業を開始しました。この工場は、地元からスギの原木を安定的に調達し、木を切ってまた植えるという森林の循環を促すとともに、県産木材を首都圏などに出荷し、その価値を広くアピールすることを目指しています。

最新技術を駆使した全自動製材システム

木環の杜は2023年11月に設立され、いわき四倉中核工業団地の約10.4ヘクタールの敷地に四倉工場を建設しました。工場は、敷地面積約5600平方メートルの製材棟や同約8090平方メートルの加工棟などで構成されています。加工棟では、3Dスキャナーで丸太の太さを測定して切断面を決め、木材を切り出す工程を全自動で行います。また、加工棟では使えない部分を省いたり、木材同士をつなげたりする加工を担います。

製造するのは、枠組壁工法(ツーバイフォー工法)で使われる構造用製材(ディメンション材)です。木環の杜に出資する大東建託の関東・東北エリアの物件などに使用される予定です。原木を年11万立方メートル扱う計画で、段階的に稼働率を上げる今年は、4万~5万立方メートル程度を扱う方針です。

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国内林業の活性化と地域経済への貢献

日本の林業は、戦後植えられ「切り時」を迎えた森林が伐採されずに放置されるという構造的問題を抱えています。木環の杜は、輸入原木が多く使われているディメンション材の材料を国産原木に切り替え、国内林業の活性化を図ります。従業員は現在78人で、将来は地元採用を中心に100人以上まで増やす方針です。

操業開始に合わせて開業式が行われ、木環の杜の安永友充社長と住友林業の光吉敏郎社長があいさつしました。大東建託の竹内啓社長らが祝辞を述べ、最後に出席者がテープカットし、開業を祝いました。

立地の優位性と将来の展望

住友林業の光吉敏郎社長と木環の杜の安永友充社長は24日、報道陣の取材に応じ、いわき市の立地の優位性や将来的な海外輸出の方針について説明しました。

―いわき市に工場を開設した狙いは。

光吉社長:スギを中心とした立派な森林資源があり、首都圏にも近い。原材料や市場へのアクセスの面で素晴らしい場所です。

―今後の事業の展開について。

光吉社長:大東建託向けに木材を造り、いずれは住友林業の住宅に使える木材も製造していきたい。福島県産材のブランドを市場に示していきます。

安永社長:最終的には国内のみならず海外にも木材を輸出していきたいと考えています。

―国産材が必要とされているのはなぜか。

光吉社長:日本は戦後植えられた木が伐採の時期を迎え、活用が求められているものの、国内建築市場はまだ6割程度を輸入材に頼っているのが現状です。福島のスギを切って植えるというサイクルを回していけば地元の経済に貢献できます。

―震災復興の観点では。

安永社長:まだ先になるかもしれませんが、後々は(原発事故の)帰還困難区域になっている地域の木材も含めて活用できるよう進めていきたいです。

―原木の具体的な調達先は。

安永社長:いわき市の木をできるだけ多く使いたい。古殿町などいわきに隣接する市町村からも納入してもらっています。工場までの輸送距離が短い場所の木を使いたいということに尽きます。

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