兵庫県の分収造林事業が事実上破綻、662億円の債権放棄へ 税金の大半回収不能に
兵庫県分収造林事業破綻、662億円債権放棄へ

兵庫県の分収造林事業が事実上の破綻、662億円の債権放棄へ

兵庫県が多額の資金を投入してきた「分収造林事業」が事実上破綻した問題で、県が債権放棄する金額が662億円となる見通しとなったことが、県関係者への取材で明らかになった。県は20日、県議会定例会に債権放棄などに関する議案を提案する予定で、つぎ込んできた税金の大半を回収できないまま、事業からの撤退を決断することになった。

昭和30年代から続く分収造林事業の仕組み

分収造林事業は昭和30年代から全国で推進され、兵庫県では県の外郭団体である「ひょうご農林機構」が実施主体となってきた。この事業は、土地所有者と分収林契約を結び、民間だけでは手入れが困難な奥地などにスギやヒノキを植栽して育成し、将来的に木材の販売収益を分配する仕組みだった。山の荒廃を防止し、自然災害への対応力を高めるという社会的意義も有していた。

木材価格低迷で全国的に行き詰まり

しかし、外国材の輸入増加などに伴う木材価格の長期低迷により、事業そのものが全国各地で行き詰まる事態に陥った。ひょうご農林機構も多額の事業資金を借り入れており、700億円を超える全国最大規模の負債を抱えるに至っていた。この状況を受け、県は事業の継続が困難と判断し、撤退を決断した。

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新基金の創設と今後の対応

県は、機構の債務整理に向けて43億円の新基金を創設する方針を示している。債権放棄額662億円は、機構が抱える負債の大部分に相当し、県の財政に与える影響は少なくない。関係者は「長年にわたる事業の終焉を残念に思うが、現実的な選択肢として撤退せざるを得なかった」と語っている。

この決定は、地方自治体が手がける公共事業の持続可能性や、自然資源管理の在り方について改めて問いかける事例となった。今後、類似事業を展開する他地域でも、同様の課題が表面化する可能性が指摘されている。

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