元SL機関士が佐野らーめん「予備校」で人生二周目 人気店「麺屋二周目」の軌跡
栃木県佐野市村上町に昨年末オープンした「麺屋二周目」には、連日多くの客が訪れ、行列ができるほどの人気を集めています。店主の船田博美さん(60)は、かつて東武鬼怒川線のSL「大樹」で機関士を務めていた異色の経歴の持ち主です。定年を機に一念発起し、佐野らーめん予備校で修業を積み、夢だったラーメン店経営を実現させました。
家族の支えで踏み出した「人生の二周目」
船田さんは栃木市出身で、ラーメン店経営は20代からの長年の夢でした。「店名は『人生の二周目』という意味です。家族の理解があったからこそ、この一歩を踏み出せました」と語ります。昨年12月21日に開店した「麺屋二周目」では、地元野菜をふんだんに使用したあっさり味の王道・佐野らーめんにこだわり、一家5人で切り盛りしています。
「いいかげんな気持ちではできない仕事ですが、とてもやりがいがあります」と船田さんは笑顔を見せます。群馬県明和町から通うリピーター客は、「ここの味は癖になる。何度食べてもおいしい」と絶賛し、その味わいに太鼓判を押しています。
佐野らーめん予備校の詳細なカリキュラム
佐野らーめん予備校は、国の助成を受けて佐野市が2019年に開始したプログラムです。ラーメン店の起業支援と市内への移住・定住促進を目的としており、現在は株式会社が運営を担っています。これまでに27人が受講し、13人が独立開業を果たしています。
8~9日間のカリキュラムは、青竹打ちやスープ作りなどの調理技術に加え、店舗経営、マーケティング、資金計画、物件探しまでを網羅しています。ラーメン業界は「3年以内の廃業率が約70%」といわれる厳しい世界ですが、近年は材料費、光熱費、人件費の高騰で経営環境はさらに厳しさを増しています。
指導者の熱意と第18期生の募集
予備校の指導を担う佐野らーめん会の西谷政美会長は、「私も脱サラ組です。試行錯誤しながら身に付けたノウハウをしっかり伝授します」と力を込めます。第18期生は3月上旬に開校予定で、応募締め切りは今月16日です。研修費は約25万円が必要となります。
問い合わせは佐野市総合戦略推進室(電話0283-20-3012)まで受け付けています。
佐野らーめんの歴史と特徴
佐野らーめんは、あっさりしたしょうゆ味のスープに、青竹を足に挟んで体重をかけて打った平たい縮れ麺が特徴です。大正時代に中国人から伝授され、現在のスタイルが定着したとされています。のれんを守る「佐野らーめん会」は1988年に発足し、現在約70店舗が加盟しています。佐野市には未加盟店やチェーン店を含め、約300店舗のラーメン店が存在します。
船田さんのような人生二周目の挑戦者たちが、佐野らーめん予備校を通じて新たな夢を叶え、地域の活性化に貢献しています。厳しい業界の中でも、確かな技術と経営ノウハウを学ぶことで、成功への道を切り開いています。