有機JAS認証キャベツが初収穫、中学校給食で提供される
宮崎県高鍋町では、有機農業を推進する取り組みの一環として、特産のキャベツの有機栽培が進められています。このほど、化学的に処理された農薬や肥料を使用せず、厳格な基準を満たした「有機JAS認証」を取得した生産者によるキャベツが、初めて収穫期を迎えました。3月12日には、町内の中学校の学校給食に食材として提供され、生徒たちから好意的な反響が寄せられています。
持続可能な町づくりを目指す高鍋町の取り組み
高鍋町は、隣接する木城町とともに、安全で安心なおいしい農産物を地域で提供することを目的に、2018年に高鍋・木城有機農業推進協議会を設立しました。これにより、有機農業を核とした持続可能な町づくりを推進しています。さらに2023年には、生産から流通、消費まで住民を巻き込んだ地域ぐるみの取り組みとして、「オーガニックビレッジ」を両町合同で宣言し、環境配慮型農業の拡大に力を入れています。
同町はキャベツの収穫量が約5800トン(2023年実績)と県内トップを誇り、その品質の高さが評価されています。今回、生産者の一人である前田智宏さん(51歳)が、昨年4月にキャベツ栽培で町で初めて有機JAS認証を取得し、認証に対応する約1ヘクタールの畑で栽培を開始。このたび、取得後初めての収穫期を迎えました。
学校給食での提供と生徒の反応
町が事務局を務める高鍋町環境保全型農業推進協議会は、収穫された「有機キャベツ」31キログラムを買い上げ、3月12日に高鍋東中学校と高鍋西中学校の学校給食に食材として提供しました。キャベツは主菜の唐揚げに付け合わせとしてゆでて出され、生徒たちはおいしそうに口に運び、おかわりをする姿も見られました。
高鍋東中学校3年生の生徒(15歳)は、「キャベツはみずみずしくておいしかったです。農薬を使わないと虫に食べられて大変だと思うので、安全でおいしく育ててくれてありがとうと伝えたいです」と感想を語り、有機栽培への感謝の気持ちを表明しました。このように、地元産の有機食材に対する生徒たちの関心と満足度が高いことが示されました。
生産者と町の今後の展望
有機キャベツを生産する前田さんは、「有機農業には農薬代などの経費を減らせる利点もあります。子どもたちには地元産のものを食べてもらい、農業に興味を持ってほしいと願っています」と述べ、地域農業の活性化への期待を込めました。
町側は、将来的には町内の小学校にも対象を広げ、学校給食での提供を拡大したい意向です。町農業政策課の布留川拓也係長は、「有機農業は肥料の原料が輸入できなくなった場合も生産できるなど、多くのメリットがあります。環境配慮と同時に経済性も兼ね備えた農業として、有機農業をさらに推進していきたいです」と語り、持続可能な農業モデルの確立を目指す姿勢を強調しました。
この取り組みは、高鍋町が有機農業を通じて地域の食の安全と環境保全に貢献する一方で、次世代への農業教育にもつなげる重要な一歩となっています。今後も、町全体で有機栽培の拡大と学校給食への導入が進められる見込みです。



