山形県のサケ捕獲数が過去最低、海水温上昇で資源危機に直面
山形サケ捕獲数過去最低、温暖化で資源危機

山形県のサケ捕獲数が過去最低に、温暖化の影響で資源が深刻な危機

山形県内で今季捕獲されたサケの数が1万2929匹に落ち込み、記録のある1979年以降で最低となったことが県のまとめで明らかになりました。この数は前年の5万2042匹と比較して4分の1以下に激減しており、近年の海水温上昇が主要な原因とみられています。

海水温上昇がサケの生態に深刻な影響

サケは冷水を好む回遊魚で、通常は日本海から北上し、オホーツク海やベーリング海で成長した後、約4年かけて故郷の最上川に戻ってきます。しかし、温暖化による日本海の高水温が続くことで、稚魚が北上途中に死亡したり、成魚が県沿岸まで近づけなくなったりしている状況です。

県水産振興課によると、サケ漁は昨年末で終了し、捕獲数の減少傾向はここ数年続いています。2001年から2020年まではおおむね15万匹以上が捕獲されていましたが、2023年からは3年連続で10万匹を下回る事態が発生しています。

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稚魚放流も半数が中止、孵化事業に打撃

不漁の影響は、採卵用の親魚確保にも及び、県内水面漁業協同組合連合会によると、毎年3000万匹を目標としている稚魚の放流が今季は大幅に縮小されました。確保できた卵は約1100万個のみで、同会に加盟する15か所の孵化場のうち、8か所しか放流を行えなかったのです。

特に、県全域に卵を供給していた月光川水系の3孵化場が記録的な不漁に見舞われたことが、放流中止の要因となっています。同会参事の桂和彦さん(67)は「数量が減った年はあっても、今年のようにサケが全く帰ってこないような事態は記憶にない」と驚きを隠さず、資源の深刻さを強調しました。

県の対策と今後の展望

山形県は資源回復に向けて、2023年から稚魚の放流方針を変更しています。未発達の稚魚が放流早々に死なないように、従来の体重0.6グラムから0.9グラムまで大きく育成することを決定しました。また、親魚の保護のため、海と川で漁獲制限を設け、2025年度には10月下旬の2日間を禁漁日とする措置を講じています。

県水産振興課の飯野和也・水産経営基盤強化主幹は「放流した個体が戻ってくるのは4年後です。時間がかかっても、孵化事業者や各漁協と一体となって資源回復に取り組んでいきます」と述べ、長期的な視点での対策の重要性を訴えています。

この状況は、気候変動が地域の水産業に与える影響を如実に示しており、持続可能な資源管理が急務となっています。山形県では、関係機関との連携を強化し、サケの生態系を守るためのさらなる施策が検討される見込みです。

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