江戸時代から続く伝統漁法でシロウオ漁が本格化、大分県佐伯市の中江川
大分県佐伯市の中江川において、江戸時代から受け継がれてきた伝統的な漁法を用いたシロウオ漁が、現在本格的に行われています。この漁は3月末まで続く見通しで、地域の春の風物詩として親しまれています。漁に従事するのは番匠川漁業協同組合の組合員たちで、次世代への継承を目的に活動を続けています。
「春を告げる魚」シロウオの生態と特徴
シロウオは体長約5センチほどのハゼ科の魚で、普段は沿岸の浅い海に生息しています。しかし、早春になると産卵のために河川を遡上する習性があり、そのことから「春を告げる魚」とも呼ばれ、季節の訪れを告げる象徴として地域で大切にされています。
独特の伝統漁法:竹垣と箱船を用いた捕獲技術
佐伯市では、川岸から流れをせき止めるように約13メートルの「梁(やな)」と呼ばれる竹垣を設置し、箱船に乗った漁師が三角網の中にシロウオの群れを誘導して引き揚げる漁法が用いられてきました。この方法は江戸時代から変わることなく受け継がれ、地域の歴史と文化を色濃く反映しています。
今年の漁獲状況と課題
番匠川漁業協同組合によると、今年は少雨の影響で川底の沈殿物が多く、水の透明度が低くなっています。そのため、昨年と比べて漁獲量は減少しており、シロウオの遡上時期も遅れているとのことです。例えば、3月9日には5人の組合員が漁に従事し、約2時間の作業で約300グラムのシロウオが捕獲されました。
地域の文化を守る取り組みと未来への展望
岸から群れの場所を箱船に伝えていた河村俊彦組合長(70)は、「春の風物詩を残すとともに、懐かしさを感じてもらえるように頑張りたい」と語りました。この漁は単なる食料調達ではなく、地域の伝統や自然との調和を次世代に伝える重要な活動として位置づけられています。組合では、若い世代への技術継承や環境保全にも力を入れ、持続可能な漁業を目指しています。
シロウオ漁は、佐伯市の春の訪れを告げるだけでなく、歴史的な価値と地域コミュニティの絆を強める役割も果たしています。今後もこの伝統が守られ、多くの人々に親しまれていくことが期待されています。



