福島・相馬市で誕生した地元初のウイスキー「拓駈」、廃校舎活用で復興支援
福島・相馬市で地元初ウイスキー「拓駈」誕生、廃校舎活用

福島・相馬市で地元初のウイスキー「拓駈」が誕生、廃校舎活用で復興支援に挑む

相馬市西端の山間地、玉野地区で、ウイスキー製造に取り組む玉野アセンド蒸留所が、初の商品となる「拓駈(ひらく)」を完成させました。このプロジェクトは、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故からの復興支援を目的としており、少子化に伴い2017年に廃校となった旧玉野小学校の校舎を活用しています。同蒸留所は、総合コンサルティング企業である建設技術研究所(CTI、東京都)のグループ企業、CTIアセンド(相馬市)が運営しており、2024年7月から製造を開始しました。

地元産原料と独自の製法で仕上げた深みのある味わい

「拓駈」は、地元産のデントコーン(飼料用トウモロコシ)を主原料として生産されています。地域の遊休地を畑に転換し、デントコーンとライ麦を栽培し、収穫後は、口当たりの柔らかい霊山の伏流水を使用して醸造を行っています。廃校舎内では、給食調理室に蒸留器を設置し、教室はたるの貯蔵スペースとして活用するなど、資源を最大限に生かした製造プロセスが特徴です。

この一連の取り組みは高く評価され、昨年開催されたアジア最大級の蒸留酒品評会「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)」において、特別賞のニューカマー(新参)賞を受賞しました。味わいは柔らかで深みがあり、原料や製法はほぼバーボンウイスキーに近いものの、法令上はグレーン(穀類)ウイスキーに区分されています。

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試験販売の詳細と今後の展開

試験販売は、3月5日から福島県内の酒販店およびインターネット上で開始されます。「拓駈」は4種類のバリエーションが用意されており、たる熟成前の「ニューメイク」とたる熟成1年以上の「ニューボーン」を各2種類、計1,000本が生産されました。アルコール度数はニューメイクが63%、ニューボーンが58%で、いずれも300ミリリットル瓶で価格は5,500円に設定されています。

正式な発売は秋ごろを予定しており、相馬市では委託製造の地酒は存在するものの、市内の企業が自ら手がけたウイスキー商品はこれが初めてとなります。商品名の「拓駈」は、「農地の開拓から始めた駈け出しのウイスキー」という意味を持ち、挑戦を続ける作り手の覚悟を表現しています。

地域活性化への期待と完成発表会の開催

同社取締役で所長を務める渡辺暁人氏は、「地元を楽しみ、地元を誇れるお酒ができたことを嬉しく思います。この取り組みが地域の活性化につながればと期待しています」とコメントし、プロジェクトへの熱意を語りました。

完成発表会は、3月5日午後6時から、相馬市のダイニングバー「パワーステーション」2階で開催されます。参加費は5,500円で、定員は先着50人となっています。詳細な問い合わせは、相馬商工会議所(電話0244-36-3171)まで連絡することが可能です。

この「拓駈」の誕生は、福島県の復興と地域経済の振興に新たな光を投げかけるものとして、注目を集めています。地元産原料と廃校舎の活用を通じて、持続可能な産業創出を目指す取り組みは、今後の地域発展のモデルケースとなる可能性を秘めています。

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