埼玉県と伊藤園、茶の新品種「彩の女神」と「彩の糸」を共同育成 お~いお茶原料化へ
埼玉県と伊藤園、茶新品種「彩の女神」「彩の糸」を共同育成

埼玉県茶業研究所(入間市)と大手飲料メーカーの伊藤園(東京都渋谷区)は、茶の新品種「彩の女神」と「彩の糸」を共同で育成したと発表した。昨年12月に農林水産省へ品種登録を出願し、先月公表された。両品種を全国の茶産地に普及させ、伊藤園の看板ブランド「お~いお茶」の原料の一部とすることを目指している。

「彩の女神」の特徴

「彩の女神」は極晩生(おくて)で、収量性が極めて高いことが特長。お茶の色は濃い緑で、まろやかな味わいが楽しめる。品種名の「女神」は、静岡県牧之原市にある伊藤園の生産拠点の地名に由来する。

「彩の糸」の特徴

「彩の糸」は晩生で収量性が高く、穏やかな香りで飲みやすい。病害虫に強いため、化学農薬を減らして栽培できることから、輸出にも適していると期待される。品種名の「糸」は、伊藤園の社名「いとうえん」に由来する。

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開発の経緯

両品種は、研究所で1993年に交配が始まった系統が基になっている。2021年から本格的な共同育成がスタートした。地方自治体の試験研究機関と民間飲料メーカーによる共同育成は、日本初の試みだという。

研究所は品種の育成と選抜、煎茶向けの品質評価を担当し、伊藤園は地域適応性の評価や飲料向けの品質評価を担当した。農林水産省での品種登録時期は未定で、数年程度かかる見込み。

今後の展開

苗木の数が限られているため、当面は県内の茶園や伊藤園の契約栽培茶園を中心に定植される。段階的に栽培面積を広げ、「お~いお茶」の原料化を目指す。研究所は「栽培面積の拡大に伴い、他都道府県への苗木供給も可能になる。狭山茶のさらなる知名度向上も期待される」としている。

伊藤園によると、近年の茶生産では品種構成が偏り、茶摘み時期の集中や生産の不安定さが課題となっている。新たな2品種は晩生で主要品種より茶摘み時期が遅く、こうした課題に対応できるという。同社は「狭山茶の産地で培われてきた育種・栽培の知見を基盤に、持続可能な茶栽培への貢献が期待される」と説明している。

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