梅原真氏の企画展「LOCAL LOCAL―ないものはない―」が京都で開催、地域再生のデザイン約30件を紹介
梅原真氏企画展「LOCAL LOCAL」京都で、地域再生デザイン30件

梅原真氏の企画展「LOCAL LOCAL―ないものはない―」が京都で開催、地域の魅力をデザインで再生

デザイナーで武蔵野美術大学客員教授の梅原真さん(76歳)による企画展「LOCAL LOCAL―ないものはない―」が、京都ddギャラリー(下京区)で開催されています。この展示では、土地の個性を活かした地域再生プロジェクト約30件を紹介し、観光や文化を通じた持続可能な発展を提唱しています。

土地のチカラを引き出すデザイン哲学

梅原さんは高知市出身で、高知放送の美術スタッフを経て、1980年からグラフィックデザインや宣伝コピー、編集など多岐にわたる活動を展開してきました。彼のテーマは「土地のチカラを引き出すデザイン」であり、メッセージ性の高い企画や商品を次々と生み出しています。インタビューで梅原さんは、「それぞれの土地の個性を見いだす考え方をデザインしてきた」と語り、地域固有の資源を価値に変えるアプローチを強調しました。

代表作「砂浜美術館」と地域プロジェクトの数々

代表的なプロジェクトの一つが「砂浜美術館」です。1989年に高知県黒潮町の砂浜で始まり、Tシャツ200枚を海上展示しました。その後、全国公募を実施し、現在では年に約1000枚の作品が風にはためいています。梅原さんは、「なんにもないと思っていた風景がミュージアムに見立てた瞬間、松原やラッキョウ畑、ウミガメ、漂流物、鳥の足跡、鯨、風まで作品の一部になる」と説明し、日常の風景を「常設展」として受け止める感性の重要性を訴えています。

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また、2025年4月には築150年の古民家を改築した「しまんと分校」(高知県四万十町)を開設。ここでは、四万十川流域の「農の営み」を教材とし、宿泊しながら地元住民から実技と座学で学ぶプログラムを提供しています。さらに、過疎化で荒れた栗林を「化学肥料を使わないオーガニックな栗の山」と再解釈し、「しまんと地栗」と命名。これにより地域限定感が生まれ、卸売価格が4倍に上昇しました。

最新作と全国への広がり

最新作は、南海トラフ巨大地震の津波対策として黒潮町公認の「防災缶詰・にげる」です。カツオや玄米などの地元産品を使用し、地元の缶詰工場で生産されています。梅原さんは、「防災を『にげる』という言葉に代え、コミュニケーションを始めることが大事ではないか」と語り、防災意識を高めるユニークなアプローチを提案しています。

その他のプロジェクトには、高知県馬路村産のゆずを全面に打ち出したぽん酢しょうゆや、一本釣り漁業の再生を目指したワラ焼きカツオのたたきなどがあります。いずれも「風景や生産者の姿が思い起こされるデザイン」を目指し、現地を訪れたり住んだりして商品開発に携わりました。

自治体プロデュース活動は全国に広がり、秋田美人とビジョンをかけた「あきたびじょん」や、島根県の離島・海士町のキャッチコピー「ないものはない」なども手がけています。梅原さんは、「どこにでもあるもの、例えばコンビニやチェーン店はないかもしれないが、そこにしかないものがある。土地の独自性を付加価値としてデザインへ昇華させていきたい」と語り、地方創生への貢献を強調しました。

展示の詳細情報

この企画展は入場無料で、3月22日まで開催されています。休館日は月曜日(祝日の場合は翌日)と17日です。問い合わせは京都ddギャラリー(電話:075-585-5370)まで。地域再生とデザインの融合を体感できる貴重な機会となっています。

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