田辺市が2026年度一般会計当初予算案を発表 総額478億円で持続可能なまちづくりを推進
和歌山県田辺市は、2026年度の一般会計当初予算案を発表しました。総額は478億円で、前年度比1.2%の減少となります。この予算案は、老朽化が進む紀南文化会館の改修事業や、外来不快害虫の駆除対策など、多岐にわたる事業を盛り込んでおり、2月25日に開会する市議会へ提出される予定です。
歳入と歳出の内訳 市税の微増と建設事業費の減少が特徴
歳入面では、市税が83億3300万円(前年度比0.7%増)、市債が59億7800万円(同0.1%減)と見込まれています。一方、歳出では、人件費が93億2300万円(同4%増)、扶助費が96億4400万円(同4%増)となる一方、普通建設事業費は73億8400万円(同7.4%減)と減少しています。このバランスは、行財政改革を進めつつ、重要な投資にリソースを配分する市の方針を反映しています。
主要事業の詳細 紀南文化会館の改修と地域活性化策
予算案の主な事業として、紀南文化会館の改修工事に23億5300万円が計上されました。同会館は1984年に建築され、老朽化が課題となっていましたが、2023年度から着手された改修が本格化し、2027年7月に再開館を予定しています。これにより、文化活動の拠点としての機能強化が期待されます。
また、都市と地方の「2地域居住」や移住希望者向けに、市での暮らしを体験できる「お試し滞在施設」の整備に900万円が盛り込まれました。この施設は、田辺市の魅力を実感してもらい、定住促進につなげることを目的としています。その他、福祉サービスを包括的に提供する総合相談窓口の開設や、奨学金の返済支援にも取り組む方針が示されています。
外来不快害虫の駆除対策 ヤンバルトサカヤスデへの対応
さらに、田辺市は外来不快害虫の駆除対策として、新たな補助制度を導入します。特に、台湾原産の節足動物「ヤンバルトサカヤスデ」が市内で増加しており、2026年度から駆除用薬剤の購入費を半額補助する方針を決めました。事業費として33万5000円が計上されています。
ヤンバルトサカヤスデは体長25~30ミリで、湿気の多い環境を好み、朽ちた葉などを食べます。農産物や人には無害ですが、大量発生し、刺激を受けると悪臭を放つことから「不快害虫」とされています。沖縄県や鹿児島県で問題となっており、田辺市内では2024年秋頃に初めて大量発生が報告され、市民から対策を求める声が上がっていました。市環境課は「外来生物であり、生態系への影響の観点からも早期の駆除が必要」と強調しています。
市長のコメント 未来への投資と持続可能なまちづくり
真砂充敏市長は記者会見で、「人口減少対策などの『未来への投資』と行財政改革を両立し、持続可能なまちを創造していく」と述べました。この予算案は、インフラ整備や環境対策を通じて、地域の課題に総合的に取り組む姿勢を示しています。田辺市は、文化施設の再生や移住促進、外来害虫対策など、多面的なアプローチで、住民の生活品質向上と地域の活性化を図っていく方針です。



