イチゴ産地の激しいPR合戦が本格化 栃木と福岡が首都圏で「イチゴ戦争」
イチゴ産地PR合戦激化 栃木と福岡が「イチゴ戦争」 (21.02.2026)

イチゴ産地の激しいPR合戦が本格化 首都圏で「イチゴ戦争」勃発

国内のイチゴ主要産地によるPR合戦が激化している。少子化や嗜好品の多様化により、イチゴの国内消費量は30年前の4割程度にまで減少している状況だ。こうした中、各産地は品種開発競争に加え、都市部での浸透やブランド力向上に余念がない。特に「イチゴ王国」として知られる栃木県と、高級路線で攻勢をかける福岡県の対立が顕著で、首都圏を舞台にした「イチゴ戦争」の様相を呈している。

栃木県の連携戦略 全国産地と協力して消費拡大へ

栃木県は生産量上位10県に呼びかけ、昨年「全国いちご会議」を結成した。これは産地間で協力し、消費量を増やそうとする取り組みだ。県内では、30年近く主力だった「とちおとめ」に取って代わり、甘みが強く果実が硬めの「とちあいか」が作付けの9割を占めるまでに生産面では成功している。しかし、消費者への浸透はまだ道半ばで、横浜でのイベントでも「栃木といったら、『とちおとめ』でしょ?」といった声が聞かれる状況だ。

県は今年1月から3月中旬にかけ、首都圏や関西の主要駅ビル、スーパー、空港で試食や販売を実施。さらに、とちあいかを使ったサラダやケーキなどの特別メニューを展開し、インフルエンサーや生産者に依頼したSNSでの情報発信も積極的に行っている。

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横浜ストロベリーフェスティバルでの活躍

横浜市で開催中の「横浜ストロベリーフェスティバル」では、栃木県農政部の広川貴之部長が「普段はライバルかもしれないが、この3日間、売って、売って、売りまくり、日本のイチゴ消費を増やしましょう!」と全国の主要産地に呼びかけた。同フェスは昨年約58万人が訪れた人気イベントで、栃木は主力の「とちあいか」をひっさげ、試食や直売で知名度アップを図っている。

会場には埼玉県の「あまりん」など各地のイチゴを使ったパフェやクレープが勢ぞろいし、来場客は撮影したり食べ比べたりしていた。家族で訪れた千葉県野田市の看護師、田中美穂さん(36)は「甘いイチゴを狙っていた。こんなに種類があるなんて」と目移りしていたという。

福岡県の高級路線攻勢 銀座で「博多あまおうプレミアム」をPR

一方、王国の座を虎視眈々と狙うのが「あまおう」の産地、福岡県だ。1月下旬、東京・銀座の商業施設「銀座シックス」で行われたイベントで、服部誠太郎・福岡県知事は「新品種の開発競争が激化している。あまおうは21年連続販売単価日本一で『王様』と呼ばれるが、『皇帝』に押し上げたい」と力を込めた。

このイベントは、あまおうの最上級規格で糖度11度以上のものを厳選した「博多あまおうプレミアム」のプロモーション。すでに確立している“あまおうブランド”のプレミアム化を目指し、首都圏の百貨店で約200箱限定、1箱1万円以上で販売する計画だ。

会場には飲食店経営者やインフルエンサーなど約100人が出席し、あまおうを使った色鮮やかな料理やケーキがふるまわれた。イベントに招かれた人気パティシェの鎧塚俊彦さんは「あまおうは甘みと酸味のバランスが非常にいい。20年周期くらいで品種の流行が変わる中、ずっと王座を維持している」と高く評価した。

「イチゴ戦争」の行方 服部知事が本音を漏らす

イチゴは今シーズンの最盛期を迎えており、各地の直売には行列ができるほど人気を集めている。服部知事はイベント中、報道陣を前に「イチゴ戦争だな……。(一番のライバルは)栃木だ」と本音をのぞかせた。この発言は、両県の激しい競争関係を象徴するものと言えるだろう。

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栃木県は茨城、静岡県などと手を組み消費者向けイベントを開催する一方、高級路線の福岡県は東京・銀座で派手なプロモーションを行うなど、産地間の戦略の違いが明確になっている。国内消費が減少傾向にある中、各産地がどのように消費者の心をつかみ、ブランド価値を高めていくかが今後の焦点となる。