米子城跡の石垣に「ぎょろ目の鯛石」、ユーモラスな姿が観光の新たな目玉に
鳥取県の米子城跡で、石垣に積まれた石が鯛に見えると話題を呼び、登城者らの間でじわりと人気が拡大しています。この石は「鯛石」と呼ばれ、一目でわかるそっくりぶりが特徴で、昨年12月には「米子城鯛石普及協会」が設立され、写真展やチラシ配布などの活動を通じて知名度を高めつつあります。絶景で知られる米子城にとって、もう一つの観光の目玉として期待が寄せられています。
鯛石の特徴と発見の経緯
鯛石は石垣の積み石の一つで、縦約50センチ、横約80センチの大きさです。露出面の左下部分にはぎょろりとした目に見えるくぼみがあり、すぐ下で亀裂が入って薄く2枚に割れた岩板が口を思わせます。赤みを帯びた茶色の色合いも相まって、ひとたび鯛と指摘されると、もはやそれ以外に見えないフォルムがユーモラスな雰囲気を醸し出しています。その成り立ちは不明ですが、自然の偶然が生み出した奇石として注目を集めています。
この鯛石が世に見いだされたのは、2022年2月に米子城跡で開かれた「ダイヤモンド大山」観測会がきっかけでした。城跡は年に数日、大山の頂上から太陽の光が差し込む絶景が見られることで知られ、近年知名度が向上しています。その日、観測スポットから少し離れて会の様子を見守っていた元市職員の岡雄一さん(65)に、隣にいた知人が声をかけ、指さす方向に鯛の顔に見える石があることに気づきました。岡さんは「面白い」と感じ、それ以来、季節の折々で鯛石を被写体として撮影を続けてきました。
普及協会の活動と観光への期待
昨年、岡さんは撮影した写真を米子市美術館で展示し、現地で案内すると、老若男女を問わず、地元の人々や外国人観光客も興味津々に見入り、皆が喜んで写真を撮る様子が印象的でした。この反応から、岡さんは鯛石の観光素材としてのコンテンツ力の高さに確信を抱き、「ダイヤモンド大山は天候に左右されやすいが、鯛石は絶対に見られる。米子の見所の一つになるかもしれない」と考えました。これを受けて、昨年12月に普及協会を設立し、中心となって奮闘を続けています。
岡さんは、足元に視線を感じたときに見つけた「猿顔石」など様々な奇石を紹介するチラシを作成し、晴れた日には毎日城跡に上がって約300枚を配布するなど、鯛石をはじめとする珍しい石群のPRに力を入れています。「認知度を高め、観光商品の一つに育てたい」と意気込んでいます。また、米子コンベンションセンターではパネル展が開かれ、鯛石の写真10枚が展示されており、3月31日まで午前9時から午後10時まで入場無料で公開されています。
米子城は絶景の城として知られていますが、鯛石の登場により、新たな観光資源としての可能性が広がっています。普及協会の活動が浸透するにつれ、地域の観光振興にも寄与することが期待されています。



