「寿司といえば、富山」県民の9割が認知 全国展開へ課題も
富山県が普及に力を入れているキャッチフレーズ「寿司といえば、富山」を聞いたことがある県民が、2026年1月の調査で91%に上ったことが明らかになった。2024年3月の前回調査(46%)から約2倍に増加し、県内での浸透が着実に進んでいる。しかし、東京・大阪・愛知の三大都市圏では、寿司で富山をイメージする人は約2割と少なく、県外での認知度向上が今後の課題となっている。
県内での浸透は顕著 企業やイベントでも活用広がる
県がこのキャッチフレーズを使い始めたのは2023年。約3年で県民の認知度が大幅に上昇し、「すし県」としての意識が高まっている。県ブランディング推進本部会議での報告によると、キャッチフレーズのロゴマークを活用する企業数は100社を超え、民間団体などが主体となる関連イベントも約100件に達している。
同会議の外部アドバイザーを務める県出身の企業経営者・高木新平氏は「3年前は想像できなかった成果だ。今後は県外との接点を増やす必要があり、これが勝負所だ」と指摘した。
全国での認知度目標は90% 現状は低調
県は、2032年までに三大都市圏で「寿司といえば、富山」とイメージする人の割合を90%にすることを目標としている。しかし、2025年11月の調査では、寿司でイメージする地域を3つまで挙げてもらった際、富山が入った割合は23.4%にとどまった。
さらに、2024年10月と2023年10月の調査では、寿司と聞いて最もイメージする地域を尋ねたところ、富山が挙がった割合はそれぞれ7.7%、8.9%だった。県外での浸透が進んでいない現状が浮き彫りとなっている。
県外への情報発信強化 ツアーやメディア露出を計画
県は今後、県外向けの情報発信に力を入れる方針だ。県内の寿司店を組み込んだツアーの販売や、首都圏のメディアでの露出拡大を図る構え。新田知事は「よりハードルは高くなるが、総力を挙げて全国での認知度を上げていきたい」と意気込んでいる。
富山市の寿司支出額は全国3位 市民の意識変化も
総務省の2025年家計調査結果によると、富山市の寿司(外食)の1世帯当たりの年間支出金額は2万3006円で、全国3位だった。県は「全国トップクラスの常連として定着した」と評価している。
調査対象は県庁所在地や政令市など。富山市は2022年は1万5687円で15位だったが、キャッチフレーズを打ち出した2023年は7位(1万9058円)に上昇。2024年は1位(2万3185円)となり、2025年は前年より順位を下げたものの、「すし県」としての意識が市民に浸透してきた可能性が示唆される。
ブリや昆布の支出も全国1位 食文化の豊かさを証明
2025年調査では、ブリは6年連続、昆布は4年連続で支出金額全国1位となった。ブリは5963円、昆布は1461円で、魚介の漬物、イカ、オレンジ、ホウレンソウ、ナスなどの支出金額も全国1位だった。富山市の1世帯当たりの消費支出は月平均34万5289円で全国5位、勤労者世帯の実収入は月平均76万4280円で全国3位と、経済的な豊かさも裏付けられている。
北陸初の寿司職人養成学校が開校 人材育成で地域活性化
北陸初の寿司職人養成学校「北陸すしアカデミー」が3月5日、富山市東岩瀬町に開校した。県が融資し、富山市の民間会社が運営。講師には富山市の名店「鮨難波」の店主・難波薫氏らを迎え、生徒は2か月で調理技術や目利きの技術を学ぶ。
校舎は築100年以上の元釣具店を活用。開校式典には新田知事や県議会の武田慎一議長ら約70人が出席し、新田知事は「卒業生が国内外で活躍すれば、富山の関係人口増加につながる」と期待を寄せた。式典では自ら職人装いに着替え、寿司を握る場面も見られた。



