21歳の五輪初舞台がメダルマッチに 緊張の中での銅メダル獲得
2026年2月19日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのスピードスケート女子団体追い抜き競技において、日本チームが見事な銅メダルを獲得しました。この栄光の瞬間に、21歳の野明花菜選手(立教大学)が五輪初出場を果たし、重要な役割を果たしました。
準決勝敗退から約1時間40分 若き選手にチャンスが巡る
米国との3位決定戦において、野明選手に大会初めての出番が回ってきました。準決勝での敗戦からわずか約1時間40分後、消耗の激しかった堀川桃香選手(富士急)に代わり、五輪初出場の21歳が起用されたのです。
野明選手は緊張で「頭が真っ白」の状態ながら、隊列の2番手としてスタートを切りました。序盤の加速でつまずく場面や、最終周回でバランスを崩す困難もありましたが、それでも持ちこたえ、相手チームより早くゴールラインを通過することに成功しました。
日本チーム、3大会連続の表彰台達成
この銅メダルにより、日本チームは2018年平昌五輪の金メダル、2022年北京五輪の銀メダルに続き、3大会連続での表彰台を実現しました。過去2大会では、平昌五輪マススタート金メダリストの高木菜那選手ら、個人でも世界レベルの選手がそろっていました。
しかし、引退した高木菜那選手らが去った現在、過去2大会の経験を持つのは31歳の高木美帆選手(TOKIOインカラミ)と29歳の佐藤綾乃選手(ANA)のみです。佐藤選手も近年は個人での成績が振るわない状況が続いていました。
チーム力で個人の力量差を克服
団体追い抜きの強豪であるオランダとカナダには、今季のワールドカップ優勝者や表彰台経験者がそろっています。日本チームは、一人ひとりの力量差を埋めるためのチームづくりを着実に進めてきました。
野明選手はその象徴的な存在です。周りのリズムに合わせて滑るのが得意で、ブレードが接触するすれすれまで前の選手に近づき、背中を押せる能力を持っています。これは団体追い抜きに欠かせない特性であり、チームにとって貴重な戦力となっています。
若手選手の成長とチームの結束
1回戦と準決勝を滑った22歳の堀川桃香選手も、団体追い抜きで五輪に臨むのは今大会が初めてです。高木選手、佐藤選手との連係を深めるために、昨年から2人が所属する「チームゴールド」へ加入し、トレーニングを重ねてきました。
今季のワールドカップでは2シーズンぶりの優勝を果たすなど、日本チームは着実に階段を上ってきました。その積み重ねがあったからこそ、今回の銅メダル獲得につながったのです。
コーチの称賛と4年後への決意
ヨハン・デビッドコーチはこれまでの取り組みに胸を張り、「個人の能力は最強ではないかもしれないが、一つのチームとしてはどこにも負けない最強のチームをつくれた」と語りました。
4年後のオリンピックを見据え、野明選手は「先輩たちがつないでくれて立ったスタートライン。また強くなって戻ってきたい」と力強い決意を表明しました。この言葉には、若手選手の成長とチームの未来への期待が込められています。
準決勝で競り負けた際、高木美帆選手が挙げた敗因は「経験値」でした。しかし、3位決定戦ではその経験を生かし、若手選手を支える形でチームを勝利に導きました。日本スピードスケート界の新たな歴史が、この銅メダルから始まろうとしています。



