樹齢110年のオオシマザクラが満開 箱根園で温暖化影響で開花1週間早まる
神奈川県箱根町の芦ノ湖畔に位置するレジャー施設「箱根園」において、樹齢110年を数えるオオシマザクラが4月13日、見事な満開の姿を見せた。標高723メートルという高地に立つこの桜は、かつては大型連休期間中に見頃を迎えることが多かったが、近年の温暖化の影響により開花時期が年々早まっており、今年は例年よりも約1週間ほど早い開花となった。
「湖畔の一本桜」と呼ばれる巨木
このオオシマザクラは、伊豆大島産の苗木を寄せ植えした5本の幹が一体となって成長し、あたかも1本の大樹のように見える特徴的な形態を持つ。そのため「湖畔の一本桜」の愛称で親しまれている。樹高は約12メートル、枝張りは周囲70メートルに及び、幹回りは約5メートルにも達する。富士山を思わせるような山形に広がる花々は、春の箱根に華やかな彩りを添えている。
園内では、午前11時30分から10分間、水族館で飼育されているケープペンギンが桜の周りを散歩する特別なイベントが実施されている。また、夜間にはライトアップが行われ、幻想的な雰囲気を楽しむことができる。ライトアップは4月19日まで継続される予定だ。
老いても豪快に咲き続ける長寿のシンボル
樹齢110年という高齢ながら、このオオシマザクラは専門家の手厚いケアによって健康が保たれている。樹木医が5年ごとに診断を行い、必要に応じて添え木などの処置を施している。箱根園広報の稲葉健二さん(56)は「老いても豪快に咲き続けるこの桜は、まさに長寿社会のシンボルとして大切に育てていきたい」と語り、地域の誇りとしての存在意義を強調した。
新施設「芦ノソラ」で観光客を魅了
箱根園では昨年、園と駒ケ岳(標高1356メートル)を結ぶロープウエーの山頂に新施設「芦ノソラ」を整備した。ここには展望デッキ、富士山と並んで記念撮影ができる巨大フォトフレーム(幅3.6メートル、高さ2.5メートル)、そして空を感じながら寛げるネットベンチが設置されている。
大分市から訪れた女性観光客は「富士山が大好きな父のために、絶景の一部になる写真を撮ることができて嬉しい」と笑顔を見せた。フォトフレームを活用した記念撮影が観光客の人気を集めている。
観光客の多国籍化が進展
箱根園への来客数は、過去最高を記録した2018年に迫る勢いで回復しており、その約6割が海外からの観光客となっている。最も多いのは台湾からの訪問者で、それ以降の順位は毎月変動しており、多様な国籍の観光客が訪れる多国籍化が顕著に進んでいる。
園では4月25日から開業70周年を記念した各種イベントを開催する予定で、詳細は箱根園の公式サイト(電話0460-83-1151)で確認できる。
温暖化の影響で自然のサイクルが変化する中、樹齢110年のオオシマザクラは、変わらぬ美しさで春の訪れを告げ続けている。箱根の観光名所として、今後も多くの人々に愛されていくことが期待される。



