視覚障害者も楽しめる「手で見るボードゲーム」シリーズ化へ、クラウドファンディング実施中
視覚障害者も楽しめる「手で見るボードゲーム」シリーズ化へ

東京都奥多摩町で陶磁器製ボードゲームを創作する山本光夫さん(66)が、視覚障害者も楽しめる「手で見るボードゲーム」のシリーズ化に乗り出した。本業はタイルの絵付けだが、その傍らで独学でゲーム制作を続けてきた。今回、触覚で理解できる工夫を施したゲームをシリーズ化し、クラウドファンディング(CF)で支援を募っている。

「手で見るボードゲーム」とは

シリーズの英語タイトルは「One Sense Games」。第1弾は2人用の最新作「Flip Flop Free」で、5×5マスの盤を使い、オセロのように相手の駒を挟んで裏返すゲームだ。独自ルールとして、挟まなくても駒を反転できる点が特徴。最終的に多くの駒を得た方が勝ちとなる。

通常版の陶器製駒は黒と白で塗り分けられ、盤に置くと軽快な音が響き、美しい光沢が魅力。一方、「手で見る」版の駒は色分けの代わりに、片面を平らに、裏面をドーナツ状に穴を開けて手触りで区別できるようにした。陶器は加工に手間と費用がかかるため、加工しやすい木材で作られている。

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起業のきっかけと視覚障害者向けゲームへの挑戦

山本さんが創作ゲームを初めて発表したのは1994年。大学卒業後、会社勤めをしながら独学でタイル加工や絵付けを学び、起業して数年後のことだった。タイルの一片一片が「動きが制御されたゲームの駒のよう」と感じたことがきっかけだ。

手作りのゲームを販売すると評判を呼び、「自分がゲームをするより、システムを考えるのが好き」と語る。以来、新作を考えては制作し、インターネットで販売してきた。

9年前、インターネットを通じて「海外製のゲームを、目が見えなくても遊べるようにできないか」と依頼され、視覚障害者向けゲームの制作に着手。「作り替えるより、創作しよう」と生み出したのが「目我天(めがて)」だ。4×4マスの穴が開いた盤に高さの異なる駒を置き、決まった規則に並べれば勝ちとなる。駒は手触りや厚みで判別でき、すべての穴に駒が収まるため片付けも容易だ。

約80種類の自作ゲームを順次シリーズ化

以来、視覚障害者が集まる場で使用されたり、奥多摩町のアトリエまで「実際に手に取りたい」と訪れる人も現れた。好きで続けてきた創作だったが、「需要は小さくても確実にある。社会的な仕事になるなら」と考え、視覚障害者向けのサイコロなども制作した。

30年余りで考案したゲームは約80種類に上る。「簡易なルールに、触れてわかりやすい付加価値を出したい」と、それらから順次「手で見る」シリーズを増やす予定だ。

これまでは木材加工を業者に依頼していたが、今後はレーザーカッターを使って自ら加工する意向。機器購入費などをクラウドファンディングで募り、「Flip Flop Free」制作を目指す第1弾は30日まで実施中。

返礼品はゲーム本体で、寄付額3800円で15センチ四方のコンパクト版、5800円で20センチ四方のレギュラー版を用意。詳細はクラウドファンディングのプロジェクトページで確認できる。

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