豊川用水ダム貯水率わずか3.5%、農業シーズン前に深刻な枯渇危機
昨年秋以降の記録的な少雨が続く中、愛知県東部を潤す豊川用水のダム貯水率が著しく低下している。中部地方整備局が16日に開催した渇水対策本部会議では、最悪の事態を想定した対応が確認され、緊急対策の強化が決定された。
貯水率が急落、3月中旬にも枯渇の可能性
16日午前0時時点の宇連ダム(愛知県新城市)の貯水率はわずか3.5%にまで落ち込んでいる。大島ダムや調整池を含む全施設の貯水率も13.3%と、春の農業シーズンを前に深刻な水不足が懸念されている状況だ。
中部地方整備局は今年1月、冬季としては約20年ぶりに渇水対策本部を設置。豊川用水では昨年8月から取水制限を開始し、段階的に制限を強化してきた。現在実施されている節水対策は以下の通りである。
- 水道用水:20%の節水
- 工業用水:40%の節水
- 農業用水:40%の節水
19日に緊急協議会、新たな対策を検討
同局は19日に豊川緊急渇水調整協議会を開催し、地元自治体や関係者と共に新たな対策を協議する予定だ。検討される主な対策は次の通り。
- 利水者間での水の融通・配分調整
- ダムの最低水位以下の貯留水の活用(実施されれば初の試み)
- さらなる節水対策の強化
中部地方整備局長の森本輝本部長は会議で「最悪の事態を想定して対応するように」と指示し、今後の天候状況やダム情報の共有を徹底するよう求めた。
広がる渇水影響、家庭での節水も呼びかけ
渇水の影響は豊川用水だけにとどまらない。同局管内では以下の地域でも水不足対策が実施されている。
- 静岡県の天竜川水系:取水制限実施中
- 三重県の櫛田川水系:自主節水を実施
岩田伸隆・総合土砂管理官は記者団に対し、「蛇口をこまめに閉める、風呂の水を洗濯に再利用するなど、家庭での節水協力をお願いしたい」と訴え、市民一人ひとりの取り組みの重要性を強調した。
今後も少雨が続けば、豊川用水のダムは3月中旬にも枯渇する可能性があり、農業用水の確保が急務となっている。関係機関は連携を強化し、水資源の有効活用に向けた対策を急ピッチで進めている。



