愛知県西尾市は28日、名鉄西尾・蒲郡線(西蒲線)を存続させるため、2027年度から導入する「みなし上下分離方式」に伴い、運行継続が決まっている2041年度までの15年分の市負担金が最大で43億円になるとの見通しを明らかにした。市はこの費用をあらかじめ確保する債務負担行為を設定し、関連の補正予算案を6月2日開会の市議会定例会に提出する。
赤字続く西蒲線、みなし上下分離方式で存続へ
西蒲線は、名鉄西尾線の西尾-吉良吉田間と蒲郡線(吉良吉田-蒲郡)を合わせた総称で、区間収支の赤字が続いている。沿線の西尾市、蒲郡市、名古屋鉄道(名鉄)などで構成する対策協議会は2024年3月、利用者が比較的少ない蒲郡線区間で2027年4月からみなし上下分離方式を導入することを決定した。
両市の負担割合と内訳
同方式では、線路や電線、駅舎などの維持管理や設備投資にかかる費用を両市が負担。両市が名鉄に支払う運行支援負担金は総額約85億円を見込む。市内の線路の長さや駅数などで算出した負担割合は西尾市が50.95%、蒲郡市が49.05%で、西尾市が43億円、残りを蒲郡市が負担する。現在、両市は名鉄への支援金として西尾市が年1億5000万円、蒲郡市が年1億円の計2億5000万円を負担しているが、同方式導入後は単純計算で西尾市の負担は年約2億8000万円に増加する見込み。
国の支援制度活用へ
両市と名鉄は今後、ローカル線の経営改善を支援する国の鉄道事業再構築事業の認定を受け、同方式に移行する方針。西尾市は国の交付金も活用しながら財源確保に努める。
補正予算案のその他の内容
補正予算案には、このほかに委託事業者の撤退で中断していた病児・病後児保育事業を再開するための事業費832万円や、イラン情勢緊迫化に伴って高騰した農業用排水機の燃料費の追加分913万円などが盛り込まれている。



