静岡県の伊豆半島を縦断する「伊豆縦貫自動車道」は、沼津市と下田市を結ぶ約60キロの整備計画が示されてから40年近くが経過したが、全体の約4割しか完成していない。整備計画内に位置し、「天城越え」で知られる高低差45メートルのループ橋は現在もその姿を保っている。静岡県出身で現在沼津支局に勤務する記者は、県内での勤務が3度目となるが、この整備の遅れに強い懸念を抱いている。
能登半島と比較して浮き彫りになる課題
記者は能登半島に4年間居住し、2024年に発生した能登半島地震を経験した。首都圏に近い伊豆半島だが、両方で生活した経験から、道路事情は能登半島よりも悪いと指摘する。神奈川県西部と東伊豆を結ぶ国道135号、西伊豆の国道136号はともに沿岸部を走り、能登半島地震で大きく損傷し、多数の孤立集落が発生した国道249号と同様の脆弱性を抱えている。
決定的な違いは、半島と都市部を結ぶ幹線道路の整備状況にある。金沢市と奥能登を結ぶ「のと里山海道」は地震で被災したものの、支援物資や人員を運ぶライフラインとしての機能を維持した。一方、未整備の伊豆縦貫道にはそのような役割は到底期待できない。
南海トラフ地震への備え
能登半島地震直後、記者はデスク応援で金沢市に入り、災害時の応急活動を迅速化するためには道路の重要性を再認識した。南海トラフ巨大地震が懸念される中、能登の教訓をどのように生かすのか。伊豆の現場から考えたい。(沼津支局・沢田佳孝)



