細川たかし似のスター保護猫「磯辺海苔男」が人気、譲渡希望者が急増
愛知県岡崎市で保護猫活動に取り組む高田万里子さん(48)が世話をする猫「磯辺海苔男(のりお)」が、SNSで大きな話題を呼んでいます。その理由は、歌手の細川たかしさんに似ていると評判になったからです。この人気をきっかけに、保護猫の譲渡に関する相談が急増し、地域猫活動への関心が高まっています。
特徴的な名前と模様がチャームポイント
磯辺海苔男は、去勢手術を受けたことを示す「さくら耳」と、白い餅に一枚の海苔を載せたような頭の模様が特徴です。この模様が磯辺餅に似ていることから、ユニークな名前が付けられました。一度聞いたら忘れられない名前と、愛らしい外見が多くの人々の心を捉えています。
SNS投稿がきっかけで細川たかしさんとの対面も実現
2024年2月、高田さんがテレビで歌う細川たかしさんと、膝の上で眠る海苔男を並べて撮影した写真をSNSに投稿しました。軽い気持ちでの投稿でしたが、「細川たかしに似ている猫」として大きな反響を呼びました。投稿から2か月後、この話を聞きつけた細川さんが岡崎市でのコンサートの合間に高田さん宅を訪問し、対面が実現しました。海苔男は初めて会う細川さんに終始警戒していましたが、愛猫家の細川さんは「やっと会えたね」と満足げだったと伝えられています。
保護猫活動の背景と海苔男との出会い
高田さんは小さな頃から猫が好きでしたが、実家が和菓子屋「櫻園」を営んでいたため、飼うことが許されませんでした。21歳で結婚して家を出るとすぐに猫を飼い始め、現在は家業のかたわら、保護猫活動に取り組んでいます。自宅では10匹の猫と暮らしており、海苔男とは2022年秋に知人から「猫が爆発的に増えている」と相談を受け、自宅近くの山へ向かった際に出会いました。わらの上で寝そべるオス猫の頭のきれいな海苔模様に心を奪われ、保護しました。去勢手術後、一度は放しましたが、厳しい冬の寒さでやせ細っていく姿を見て再び保護し、以来、家族の一員となっています。
保護猫活動の始まりとTNR活動への取り組み
高田さんの保護猫活動は約15年前に始まりました。春先に買い物途中で道の脇にぐったりと横たわる子猫を見かけましたが、どうすればいいか分からず、その場は見過ごしてしまいました。翌日、その小さな命は失われていたことを知り、「動けなかった自分がイヤになった」と振り返ります。当初は自費で野良猫を保護し、引き取ってくれる人を探していましたが、ある時「このまま保護していても終わらない」と気づきました。その後、不幸な殺処分を減らすための「TNR活動」(野良猫を捕獲して不妊去勢手術を受けさせ、元の場所に戻す活動)を知り、約7年前から自身でも始めました。現在は、飼い主のいない猫が周辺住民の理解を得ながら、エサをもらって暮らす「地域猫」として、人と共生できる社会の実現を目指しています。
海苔男人気が譲渡活動に好影響
保護猫活動で最も苦労するのは新たな飼い主探しです。これまでは友達の紹介や和菓子屋の客に声をかけていましたが、海苔男がSNSで話題になったことをきっかけに、オンラインを通じて引き取りの相談が多く寄せられるようになりました。その結果、譲渡した保護猫の数は、以前の年約30匹から約130匹にまで増加しました。高田さんは、猫には目先の情を捨てて接するよう心がけており、保護した猫をすぐに譲渡先に渡すことに対して「薄情ではないか」などと心ない言葉をかけられることもありますが、「自分の手で幸せにするよりも、他人の手で幸せにしてもらった方がいい」と考えています。一時の「かわいそう」という気持ちよりも、猫の将来が大事だと強調し、海苔男を通じて多くの人に保護猫の良さを知ってほしいと願っています。



