多国籍住民がバーベキューで交流深める 愛知県西尾市の団地で共生の試み続く
多国籍住民がバーベキュー交流 愛知・西尾で共生の試み

多国籍住民がバーベキューで顔なじみに 愛知・西尾の団地で共生の試み

深刻な人手不足に直面する日本において、外国人労働者は今や欠かせない存在となっています。しかし、言葉や習慣の違いから生じる地域との摩擦は絶えず、社会の変容を懸念する声も根強く残っています。1990年の改正入管難民法施行以降、「デカセギ」で来日し、地域の担い手として定着しつつある日系ブラジル人を中心に、軋轢を乗り越えながら共生を目指す多国籍コミュニティの姿が、各地で見られるようになりました。

炭火の香り立ち込める多国籍交流の場

昨年12月21日、クリスマスを4日後に控えた愛知県西尾市の「県営緑町住宅」では、炭火で焼かれる肉の香ばしい匂いと煙が立ち込めていました。多国籍の住民たちが年に一度顔を合わせる年末恒例イベント「おたのしみパーティー」が開催されていたのです。あいにくの空模様にもかかわらず、子どもから大人まで約70人が敷地内に設けられた特設テントに集結。紙皿を手にした参加者たちが、バーベキュー台の前に列をなしていました。

住民たちは串に刺した牛肉や鶏肉、ソーセージを焼くブラジル流の肉料理「シュラスコ」を楽しみながら、炭酸飲料を片手に談笑を交わしていました。会場内では日本語やポルトガル語、ベトナム語など、多様な言語が飛び交い、国際色豊かな交流の場が展開されていたのです。

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顔の見える関係づくりを目指して

「異なる国出身の住民たちがここに集まり、話し合うことで顔なじみになれるのです」。昨年4月から自治会長を務めるブラジル出身の江藤裕希子さん(50)は、このイベントの意義をそう強調します。緑町住宅では、住民同士が顔の見える関係を築くことを目的として、1990年代初頭から定期的に交流イベントを開催してきました。

自治会の副会長を担う清パブリシさん(36)も「団地で生活する外国籍の住民には子育て世帯が多い。こうしたイベントがあることで、子どもたちが一緒に遊ぶ機会が生まれます」と語ります。清さんはブラジル出身の日系3世で、小学生の頃に家族と共に来日し、日本での生活は既に30年近くに及んでいます。

江藤さんや清さんら外国出身の自治会役員を顧問として支える古参の日本人住民、青木忠雄さん(78)は、国の違いを超えて会話に興じる住民たちの様子を眺めながら、「互いに顔を合わせれば、住民同士のコミュニケーションが自然と良くなるものです」と目を細めました。

小さなもめ事が示す共生の課題

イベントでは、自治会から「クリスマスプレゼント」として子どもたちにお菓子の詰め合わせが手渡されたほか、各世帯に米1袋ずつが配布されました。しかし、この米を巡って後日、「ちょっとしたもめ事」が発生したのです。詳細は明らかにされていませんが、多様な背景を持つ住民が共に暮らす中で生じる小さな摩擦が、共生への道のりには付き物であることを示唆しています。

緑町住宅の取り組みは、外国人労働者が増加する現代日本において、地域社会がどのように多文化共生を実現していくのかという課題に対する一つの回答と言えるでしょう。言葉や習慣の違いを乗り越え、互いを理解し合うための継続的な努力が、ここでは日々積み重ねられています。

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