三重高校、大阪桐蔭に延長戦で惜敗 選抜高校野球2回戦、リベンジならず
2026年3月26日、兵庫県西宮市の甲子園球場で開催された第98回選抜高校野球大会8日目の第3試合において、三重県松阪市の三重高校が大阪府の強豪・大阪桐蔭高校と2回戦で対戦した。試合は延長戦にもつれ込み、三重高校は5-6で敗退した。2018年の準決勝以来となるリベンジの機会は、あと一歩のところで逃してしまった。
接戦を制した大阪桐蔭、三重は最後まで粘りを見せる
三重高校は初回に先制点を許す苦しいスタートとなったが、すぐに反撃に転じた。3年生の立松宗馬内野手が右前適時打を放ち、逆転に成功する。しかし、先発投手の吉井海翔投手(3年)が大阪桐蔭の打線に捕まり、三回途中で4失点を喫して降板。四回までに合計5点を失い、一時はリードを許す展開となった。
それでも三重高校は諦めず、四回には相手の暴投を利用して1点差に迫ると、八回には主将である大西新史捕手(3年)の中犠飛で同点に追いついた。八回から登板した4番手の古川稟久投手(3年)は3イニングで5つの三振を奪う好投を見せ、試合をタイブレークに持ち込んだ。
しかし、無死一・二塁から始まる延長十回のタイブレークで、大阪桐蔭に犠牲フライを打たれ、決勝点を許してしまった。三重高校の選手たちは悔しさをにじませながら、グラウンドを後にした。
秋山隼人選手、憧れの舞台で存在感を発揮
同点の九回、2死二塁という最大のチャンスで打席に立ったのは、3番を務める秋山隼人選手(3年)だった。低めの直球を捉え、三遊間を破る左前打を放ち、球場を沸かせた。好返球に阻まれサヨナラ勝ちとはならなかったが、「自分の打撃ができた」と感慨深げに振り返った。
秋山選手にとって、三重高校でのプレーは特別な意味を持つ。小学3年生の春休み、父と兄とともに甲子園のスタンドから選抜の準決勝を観戦した際、お目当てだった大阪桐蔭の前に立ちはだかった三重高校の姿に魅了された。「少ないチャンスをものにする野球で、この高校で甲子園に行きたいと思った」と語り、憧れのユニホームを着て門をたたいた。
この日は守備でも4つのゴロを難なくさばき、中盤以降の接戦を支えたが、チームの敗戦に「何回も点を取れるチャンスがあったがミスが続いた」と悔やんだ。それでも、「もう一回、チームを磨いて戻ってきたい」と最後の夏、再び聖地でプレーすることを誓った。
立松宗馬選手、観察眼が生んだ同点打
好機を逃さない観察眼が光ったのは、5番を務める立松宗馬選手(3年)だ。初回に相手に先制された後、連続四球などで1死満塁のチャンスを作ると、初球のアウトコース直球を捉え、同点に導く右前適時打を放った。「相手の先発が荒れていて、初球を狙っていた」と振り返る。
その「眼」は、リハビリ期間中に養われた。昨年11月、中学時代に発症した腰椎分離症が再発し、約1カ月半はストレッチが中心の練習となった。打撃練習が思うようにできない中、重視したのは「外から野球を見ること」だった。審判を積極的に務めるなどし、「投手がどんな時に、どんな球を投げてくるのか、考えるようになった」と語る。
点を取り合う緊迫した試合はタイブレークにもつれ込み、惜しくも勝利を逃した。2014年夏の決勝、2018年春の準決勝でいずれも敗れた相手だけに、「リベンジを果たしたかった」と悔しさをにじませる。自身の成績にも満足できておらず、「もっと大きくなって、もっと打てる打者になって、夏に必ず帰ってくる」と確固たる決意を語った。
三重高校は前回出場の2018年も準決勝で大阪桐蔭に敗れており、今回もリベンジは叶わなかった。しかし、選手たちの奮闘と最後の夏への誓いは、多くのファンに感動を与えた。甲子園の舞台で繰り広げられた熱戦は、高校野球の魅力を改めて伝えるものとなった。



