金箔生産、石川県のみに集約 職人高齢化で存続の危機 ティファニー支援も定着難航
金箔生産、石川県のみに 職人平均75歳で存続危機 (14.04.2026)

金箔生産の国内拠点、石川県のみに集約 職人減少で存続の危機

金箔の国内生産場所が、現在では石川県内のみとなったことが、県箔商工業協同組合の調査により明らかになりました。かつては滋賀県でも生産されていましたが、同県の職人が2024年末に引退したことで、石川県が唯一の生産地となりました。この状況は、職人の減少と高齢化が急速に進んでいることを浮き彫りにしています。

最盛期の3分の1まで減少した従事者数

同組合のデータによると、2024年度に石川県内で金箔の生産・販売を手がけた事業所は75カ所で、従事者は592人でした。これは最盛期の1977年度の1680人と比較すると、わずか3分の1の水準です。生産額も2024年度は22億7500万円に留まり、ピーク時の1990年度の136億2600万円の16.6%まで落ち込んでいます。新規の従事者はほとんど増えておらず、職人の平均年齢は約75歳と、深刻な高齢化が進行しています。

ティファニーの支援を受けた人材育成も定着が困難

こうした危機的状況の中、県箔商工業協同組合は国や金沢市の補助に加え、2024年頃から大手ジュエリーブランド「ティファニー」の支援を受けて人材育成に取り組んできました。しかし、新たな職人の定着は難航しており、山賀直久事務局長は「金箔は100%金沢で生産していることを発信し、全国に技術の高さや良さを広めていきたい」と語っています。伝統技術の継承には、さらなる支援と認知向上が不可欠です。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

400年以上続く技術と現代の課題

金箔は江戸時代から続く技術で、加賀藩祖の前田利家が1593年に製造を命じて以来、石川県では湿度の高さや水質の良さを活かし、400年以上にわたり技術が受け継がれてきました。2020年には「縁付金箔製造」がユネスコの無形文化遺産に登録され、日光東照宮や金沢城の復元などにも活用されています。作田金銀製箔の作田一則社長は「技術をつなぐことが金沢の責務になった」と強調しています。

しかし、全盛期には金箔の約9割が仏壇や仏具に使われていましたが、現在では食用や化粧品用のフレーク状金箔が売れ行きを伸ばしています。また、金の価格高騰により、金箔を使わない仏壇を作るメーカーも現れ、業界への打撃は大きいと指摘されています。作田社長は「伝統文化を守るためには資金などの支援が必要だ」と訴えています。

石川県の金箔産業は、歴史的価値と現代の需要の狭間で存続を模索しています。職人の高齢化と技術継承の課題は、日本の伝統工芸全体にも共通する問題として、早急な対策が求められています。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ