奈良・高山茶筌の伝統技、世界の抹茶ブームで脚光 500年の歴史と「用の美」を継承
奈良・高山茶筌、世界の抹茶ブームで脚光 500年の歴史継承 (08.03.2026)

奈良・高山茶筌、500年の伝統技が世界の抹茶ブームで脚光

鮮やかな手さばきで竹の穂先が削られていく。その技術は「一子相伝」として、家々が受け継ぐ技を長男にだけ口伝で教えるという。奈良県高山茶筌生産協同組合理事長の谷村丹後さん(61)が、製作の実演をしながら語った。高山茶筌は、抹茶をかくはんする道具で、国産のほとんどが生駒市高山町の高山地区で作られている。500年の歴史を持つとされ、茶道の流派ごとに形や材料が異なり、地区内の16軒の業者が手がけている。

世界的な抹茶ブームと茶筌不足の現状

現在、世界的な抹茶ブームが巻き起こり、茶筌の需要が急増している。これに伴い、茶筌不足が発生し、プラスチック製の代替品も登場している。谷村さんは「早朝、自宅に外国人が『茶筌がほしい』と訪ねてきたこともあった」と語り、国際的な関心の高まりを実感している。このブームは、伝統工芸品に新たな注目をもたらす一方で、供給の課題も浮き彫りにしている。

「味削り」と「用の美」を追求する職人の技

生駒市高山町の高山竹林園で2月11日に開催された「キミも高山茶筌博士だ!」イベントでは、谷村さんが穂先に向けて薄く削っていく「味削り」などを披露した。彼は「理想的な茶筌は丈夫でしなやか。薄すぎても厚すぎてもだめ。削り方次第でお茶の味が変わってしまう」と解説。茶筌は消耗品だが、「とはいえ美しい物を作りたい。『用の美』を目指しています」と語り、実用性と芸術性の両立を追求する姿勢を示した。出来上がった茶筌は、まさに芸術品と呼ぶにふさわしい美しさを放っていた。

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イベントでの体験と参加者の反響

このイベントは、3月14日に同園で開かれる「ま~ぜま~ぜふぇす」に参画する生駒市の松原真理子さん(54)が関連イベントとして企画した。参加者は園内の何種類もの竹を見学し、「認定試験」に挑戦。さらに、茶筌で抹茶をたてる体験も楽しんだ。親子で参加した生駒市の宮本哲郎さん(37)は「細やかな技術を見ることができた」と感激していた。このような体験を通じて、地元の誇る工芸品への理解が深まっている。

伝統を未来へつなぐ願い

高山茶筌の魅力は、単なる道具を超え、日本の文化と職人技の結晶だ。谷村さんをはじめとする職人たちは、世界的な需要の高まりを受けながらも、伝統技法を守り続けている。もっと国内や世界の人々に高山茶筌のことを知ってほしいという願いが込められた活動は、地元の誇りを育んでいる。この工芸品が持つ歴史と美しさは、今後も多くの人々を魅了し続けるだろう。

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