現実と想像の境界線を行き来する学生たちのアート展が国立新美術館で開催
京都芸術大学と東北芸術工科大学による学生選抜展「DOUBLE ANNUAL 2026」が、港区六本木の国立新美術館で開催されています。展示期間は2月28日から3月1日まで。両大学の学部生および大学院生から選抜された11人(組)の作品が展示されており、若手アーティストの新鮮な感性が光ります。
旅人の物語をテーマにしたアートの探求
今回の展覧会のテーマは「遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる?/Long Ways, Long Lies?(長い旅には、長いうそがつきもの)」です。これは遠くから来た旅人の話は真偽が分からないと皮肉るベルギーのことわざを取り入れたもので、旅の話の曖昧さが、現実と想像の間を行き来するアートの本質と重なります。
学生たちはそれぞれの経験を基盤に、事実をなぞりながらも独自の「新しい物語」を作品として紡ぎ出しています。監修を務めた森美術館館長の片岡真実さんは、「学生たちは多様な他者との対話を通じて、旅のような経験を積んできました。そこで得た視点を変幻させながら、彼らの旅路はこれからも続いていくでしょう」と期待を寄せています。
多様な背景を持つ学生たちの作品群
内モンゴルから京都に留学中のアイラゴンさんは、工業用の鉄と羊毛フェルトを用いた大型インスタレーションを発表。大学近くや沖縄の自然の中でフェルトを編む自身の姿を映した映像も上映し、行為を通して身体性を強調しました。「外からの視点を持てたからこそ、自分の文化や記憶を“自由な発想”で問い直すことができた」と語っています。
中国出身の湯晴予さんは「遠く離れた友人と交わしたメッセージから想像を膨らませた」と言います。毛髪を思わせる縄や骨格に見立てた彫刻を組み合わせ、植物を連想させる女性像を創作。生命の力を象徴する菌類の映像も交え、崩壊と成長の“曖昧な境界線”を描き出しました。
山形から選ばれた川口源太さんは木材やれんが、アスファルトで力強い造形作品を制作。幼少期から見慣れたナガミヒナゲシの花を添え、外来種という存在との関わりを再考する機会を目指しています。
その他の注目イベント情報
写真展「VISAGES DU CINEMA FRANCAIS フランス映画界の顔たち」(2月28日~4月5日、港区、入場無料)では、フランス映画を形作ってきた俳優や映画監督たちの「顔」に焦点を当てたポートレート42点を展示。青山の「アニエスベー ギャラリー ブティック」で開催されています。
「三越手芸」(2月28日~3月2日、中央区、入場無料)では、約100社のハンドメードブランドや作家本人が出展。日本橋三越本店で開かれているこのイベントでは、デジタル化が加速する時代にあえて時間をかけるハンドメードの魅力が紹介されています。
「コロンバンのプリンアラモード」(3月1日~31日、渋谷区)では、日本ロリータ協会会長でモデルの青木美沙子さんが監修した「プリンアラモード エレガンス」が、原宿スイーツ(旧コロンバン原宿)で期間限定販売。原宿の“カワイイ文化”が詰まった一品として注目を集めています。



