王貞治氏の「一本足打法」とイチロー氏の「振り子打法」、タイミング取りやすさを科学的に解明 静岡大が研究発表
王貞治・イチローの打法、タイミング取りやすさを科学で解明

王貞治氏とイチロー氏の伝説的打法、科学的に裏付け 静岡大が研究発表

プロ野球界を代表する王貞治氏の「一本足打法」やイチロー氏の「振り子打法」は、バッティング時にタイミングを取りやすくする効果があるという通説を、静岡大学情報学部の宮崎真教授(54歳)らの研究チームが科学的に裏付ける論文を発表した。この研究は、足を活用した補足動作が様々な球速に対応する能力を高める可能性を示しており、スポーツスキルの理解に新たな視点を提供している。

実験で明らかになった足の役割

研究チームは、打者が過去の投球から球速やタイミングを脳で学習し、それを基に次の打席でタイミングを計るメカニズムに着目。実験では、無作為に選ばれた男女60人を対象に、黒い画面中央の光点が等間隔で点滅する際、3回目の点滅に合わせてボタンを押す課題を実施した。参加者は以下の3グループに分けられた。

  • 足の補足動作を使ってタイミングを取るグループ
  • 補足動作をしないグループ
  • 空いている手で補足動作を取るグループ

点滅間隔は、速球(0.45~1.05秒)と遅い球(1.2~1.8秒)の2パターンからランダムに選択。各参加者が640回の実験を行った結果、足でタイミングを取ったグループが最も適切なタイミングでボタンを押すことができた。このデータは、狙い球に絞って足を動かすことで、異なる球速に適応しやすくなることを示唆している。

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研究チームの見解と今後の展望

宮崎教授は、「狙い球を絞り、体の部位の動作を組み合わせることで、それぞれの球速に合ったタイミングを取りやすくなることが明らかになった。これはスポーツスキルを説明する上で重要な要素だ」と指摘。また、3月に開催されているワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を例に挙げ、「球場やテレビで試合を観戦しながら、選手の動きに注目してみてほしい」と語った。

研究に参加した会社員の田中佑真さん(25歳)は、「野球選手のプレー動画を見て、足の予備動作が打率に影響すると感じていたが、論文として示されて嬉しい」と笑顔で述べた。一方、同大学院で情報学を専攻する高木陸さん(23歳)は、「ソフトテニスで足を使うと当たりやすいと実感していたので、実験結果に納得できた」と振り返った。

論文公開と今後の研究展開

この研究論文は、2月中旬に米国のオンライン総合科学誌「iScience」で公開された。研究チームは現在、足を使った補足動作の有効性について、仮想現実(VR)技術や実際のスポーツ現場での検証を進めており、さらなる実用化に向けた取り組みが期待される。

プロ野球の歴史に名を刻む王貞治氏とイチロー氏の打法が、科学的に解明されたことで、バッティング技術の向上やトレーニング方法の革新につながる可能性が高まっている。この研究成果は、野球ファンやアスリートにとって、新たな洞察を提供するものとなった。

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