元ソフトバンク江川智晃さん、バットから包丁へ 母の養豚業を救う肉売りのプロに転身
元ソフトバンク江川智晃さん、母の養豚業救い肉売りプロに

元ソフトバンク江川智晃さん、バットから包丁へ 母の養豚業を救う肉売りのプロに転身

プロ野球・福岡ソフトバンクホークスで外野手として活躍した江川智晃さんが、バットを包丁に持ち替え、新たな挑戦を続けている。15年間のプロ生活と球団スコアラーを経て、現在は家業の養豚精肉業に従事。精肉作業から配達、飲食店経営まで幅広く手がけ、「よりおいしいものをお客さんに届けたい」と日々奮闘している。

選手時代の経験を生かし、豚肉の魅力を発信

かつてバットを振っていた手で、今は包丁を握る江川さん。自身では不器用だと語るが、大きな豚バラ肉の塊から筋や骨、軟骨などを取り除く手つきは慣れたものだ。「お客さんにおいしいと言ってもらえると、やってよかったと思える」と表情は充実している。福岡のファンに向けて「自慢の豚肉を食べてもらいたい」と語り、選手時代と変わらぬ笑顔を見せる。

江川さんは三重県伊勢市出身。地元の県立宇治山田商業高校では2年時に夏の甲子園に出場し、長打力が評価され、2005年のドラフト1位でソフトバンクに入団した。2013年にはキャリアハイとなる77試合で12本塁打を記録。しかしその後は結果を残せず、2019年に引退。翌シーズンからは同球団のスコアラーとして野球界に残った。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

コロナ禍がきっかけで転身決断

そんな第二の人生を、コロナ禍が思わぬ方向へ導いた。2020年春、オープン戦の中止などでチーム活動が停止する中、養豚業を営む母親から連絡が入った。代表を務める伯父が療養することになり、多忙を極めているというSOSだった。

家族を助けたい一方で、新たな仕事を始めたばかりで、野球界から離れたくないという葛藤もあった。しかし、大切に育てられた豚肉の良さを、野球選手だった経歴を生かして広めることは「自分にしかできない仕事だ」と悟り、同年秋には転身を決断した。

江川さんは現在、精肉作業に加え、配達業務や飲食店の経営にも携わっている。プロ野球選手として培った集中力と忍耐力を、肉の加工や品質管理に活かしているという。特に、北海道日本ハムファイターズ時代のダルビッシュ有投手からソロ本塁打を放った経験など、選手時代のエピソードを交えながら、豚肉の魅力を顧客に伝える姿勢が評価されている。

「野球で学んだことは、今の仕事にも通じる部分が多い」と江川さんは語る。チームワークの重要性や、努力を続けることの大切さを、養豚精肉業の現場で実践している。今後は、福岡を中心にさらなる販路拡大を目指し、地元の飲食店や消費者に直接アプローチする計画も進めている。

江川智晃さんの転身は、アスリートのセカンドキャリアとしても注目される事例だ。野球で得た経験を社会に還元し、家族の事業を支える姿は、多くの人に勇気と感動を与えている。バットから包丁へ、新たな舞台で活躍する元プロ野球選手の挑戦は、これからも続いていく。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ