焼き肉店主が高校球児に愛の弁当 物価高でも500円大盛りで青春応援
焼き肉店主が高校球児に愛の弁当 物価高でも500円で応援 (29.03.2026)

焼き肉店主の熱き想い 高校球児に500円の大盛り弁当を届ける

選抜高校野球大会に出場する選手たちの食事を支援しようと、神戸市中央区で焼き肉店「はまだ」を営む李建徳さん(59)が、出場校の選手たちに向けて特別な弁当配達を続けています。物価高が続く中でも、一つ500円という破格の価格で提供し、選手たちから感謝の声が寄せられています。

練習場まで自ら配達 球児たちの笑顔が原動力

先日、大阪市此花区の球場では、練習に励む日本文理高校(新潟)の選手たちに、焼き肉弁当35食が届けられました。李さんは注文を受けると、自ら車を運転して練習場まで直接配達します。秦碧羽選手は「練習場まで届けてくれるので本当にありがたいです。ご飯も肉もとてもおいしい」と満面の笑みで弁当をほおばりました。

同校の関係者によれば、今回の大会では、35人分の昼食費として3万5000円を見込んでいました。物価高の影響で、4年前の夏に甲子園に出場した時よりも5000円増加したそうです。そんな中での李さんの500円弁当は、学校側にとって大きな助けとなっています。

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5年前から続く支援 甲子園出場校にも評判広がる

李さんが弁当の配達を始めたのは5年前のこと。当初は兵庫県内の野球部を対象にしていましたが、その美味しさと温かい心遣いが評判を呼び、やがて甲子園出場校にも広がっていきました。現在では、神戸国際大学付属高校をはじめ、日本文理高校、帝京高校(東京)など、遠方からの出場校も利用しています。

弁当には、店で提供しているのと同じ品質の牛肉を使用し、ご飯は大盛りで提供。李さんによれば、採算を考えれば価格は1000円程度になる計算ですが、あえて500円に設定しているとのことです。

自身の経験が原動力 公式戦に出られなかった悔しさ

赤字覚悟で続ける理由は、李さん自身の体験にあります。16歳の時に台湾から日本に移住し、19歳で高校に入学して野球部に入部しました。しかし、年齢制限のため公式戦に出場することができませんでした。李さんは「自分はできなかった高校野球で、青春を謳歌してほしい」と語り、現在の球児たちへの応援の気持ちを強くしています。

米価高騰にも立ち向かう 淡路島で選手たちと収穫

さらに李さんは、食糧支援の範囲を広げています。2024年夏頃から米価格が高騰する中、以前から弁当配達をしていた神戸国際大学付属高校の寮で、米の調達に苦労していることを知りました。学校側は保護者の負担を増やしたくないと寮費の値上げをためらう一方で、安価な米を見つけられずにいたのです。

そこで李さんは昨年、知り合いの淡路島の農家に頼んで水田の一角を安価で借り受けました。秋には、神戸国際大学付属高校の選手たちも手伝い、約7トンの米を収穫。同校の寮には、月300キロの米を相場の75%の値段で譲り渡しました。これは、寮で月に消費する米の約半分に相当する量です。

米を譲ることで、李さんにはほとんど利益がありません。「それでも弁当の価格は維持したい」と話す李さん。人件費を削ってでも、選手たちのために弁当を配り続ける覚悟です。「子どもらが喜ぶなら、それでええ」という言葉に、彼の純粋な思いが込められています。

物価高が社会問題となる中、一人の焼き肉店主の小さな善意が、高校球児たちの青春を支え、地域の絆を深めています。李さんの活動は、スポーツを通じた温かい交流の輪を広げ続けています。

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