静岡県公示地価、2年連続上昇も沿岸部は下落続く
国土交通省が17日に発表した2026年の公示地価(1月1日時点)によると、静岡県内の平均変動率は全用途で0.3%となり、2年連続で上昇しました。平均価格は9万700円で、主に工業地と商業地で地価が上昇した一方、住宅地は横ばいで推移しています。しかし、津波の恐れがある沿岸部や高齢化が進む地域では下落が続いており、地域間の格差が浮き彫りになっています。
市町別の動向と観光地の活況
市町別の上昇率では、観光客でにぎわう熱海市が最も高く4.3%を記録しました。次いで新幹線の駅に近い長泉町が1.5%、住宅街と繁華街が共存する静岡市が1.0%と、利便性の高いエリアが堅調な伸びを示しています。一方、下落率は吉田町の1.6%が最も大きく、伊豆の国市と牧之原市の1.5%が続き、これらの地域では人口減少や災害リスクが影響していると見られます。
住宅地と商業地の詳細な動き
県内住宅地の平均変動率は0.0%で2年連続の横ばいとなり、平均価格は7万2300円でした。最高価格はJR東静岡駅に近い「静岡市駿河区曲金6の7の28」の36万2000円で、8年連続の首位を維持しています。上昇率が最も高かったのは「静岡市葵区音羽町5の6」の6.7%で、価格は27万2000円。利便性の高い優良住宅地として人気が根強く、供給が限られていることが価格上昇の要因です。
県内商業地の平均変動率は0.8%で3年連続の上昇となり、平均価格は15万3100円でした。最高価格は「静岡市葵区呉服町2の6の8」の150万円が44年連続の首位を記録しています。上昇率が最も高かったのは観光客の回復が続く「熱海市銀座町5の9」の14.6%で、価格は27万5000円。ホテル建設計画が相次ぐものの、適地が限られ供給が慢性的に不足している状況です。また、商業施設「新静岡セノバ」に近い「静岡市葵区鷹匠2の4の19」も、買い物客の回遊が盛んで変動率は11.4%と高く、中心部の商業地が活況を呈しています。
工業地の堅調な推移と専門家の見解
県内工業地の平均変動率は0.9%で4年連続の上昇となり、平均価格は5万100円でした。下落地点はなく、電子商取引(EC)の拡大を背景に、高速道路のインターチェンジに近い土地で物流施設用地の需要が高まっています。調査の代表幹事を務めた芝口直樹・不動産鑑定士(54)は、「コロナ禍の影響で落ちていた地価が回復し、少しずつ堅調に推移しています。平時に戻ったのが今の状況です」と説明し、市場の安定化を指摘しました。
公示地価は土地1平方メートルあたりの価格で、土地取引の重要な指標となります。今回の調査では、松崎町、西伊豆町、川根本町を除く県内32市町の住宅地457地点、商業地162地点、工業地42地点を不動産鑑定士が評価し、地域ごとの実態を明らかにしています。



