囲碁界41年ぶり姉妹対決!上野愛咲美が妹・梨紗を下し女流棋聖奪取
囲碁界41年ぶり姉妹対決!上野愛咲美が女流棋聖奪取 (23.02.2026)

囲碁界41年ぶりの歴史的姉妹対決が実現

囲碁界で41年ぶりとなる実の姉妹によるタイトル戦が、第29期女流棋聖戦3番勝負で実現しました。挑戦者の上野愛咲美女流二冠(24)が、タイトル保持者の妹・上野梨紗女流棋聖(19)を2連勝で下し、新たに女流棋聖の座を獲得。1985年の女流本因坊戦以来となる歴史的な姉妹対決は、緊迫した勝負と姉妹ならではのエピソードに彩られました。

第1局:姉の仕掛けが功を奏す

第1局は1月15日、神奈川県平塚市のホテルサンライフガーデンで開催されました。対局前、都内の実家で同居する姉妹は「今日も平塚まで一緒に来ました」と和やかな表情を見せ、緊張感は微塵も感じさせませんでした。しかし、盤上では激しい戦いが展開されます。

黒番の愛咲美女流二冠は序盤、最近ではあまり打たれなくなった「上ツケ」の旧定石を選択。これは約2年前の挑戦者決定戦で妹に敗れた手に対するリベンジとしての趣向でした。中盤、左辺での戦いで梨紗女流棋聖がミスを犯すと、愛咲美女流二冠の「ハンマーパンチ」が直撃。形勢が一気に傾き、梨紗女流棋聖が投了しました。

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勝利した愛咲美女流二冠は「未知の序盤から打ちたい手が打てた」と満足げに語りつつ、「妹は番勝負の第1局で盛大に負けるのが得意技だが、勝負どころになると急にさえてくるタイプ」と警戒を強めました。

第2局:最終盤の大逆転劇

第2局は1月22日、東京・市ケ谷の日本棋院で行われました。序盤から黒の梨紗女流棋聖が攻勢に出て、左辺の白の大石を仕留めるなど優勢を築きます。しかし、最終盤で事件が発生。梨紗女流棋聖が「勝ちだと思い、気が緩んでしまった」という不用意な一手を、姉が鋭くとがめました。

これにより右辺の白石の一団が生還し、形勢が一変。愛咲美女流二冠が2目半差で逆転勝利を収め、2連勝で女流棋聖のタイトルを奪取しました。新たに三冠となった愛咲美・新女流棋聖は「勝ちが転がり込んできて、ほっとした」と安堵の表情を見せつつ、「妹とのタイトル戦はもういいです」と語りました。

姉妹の心境と今後の展望

敗れた梨紗扇興杯は「実力は姉とそう変わらないと思ったが、勝負強さが足りなかった」と悔しさをにじませながらも、「負けたままじゃ終われない。何回でもやりたい」とリベンジを誓いました。姉妹は普段、自宅や研究会では対局を避けており、タイトル戦の服装も事前に調整するなど、姉妹ならではの配慮が見られました。

愛咲美新女流棋聖は「今回は勝たせてもらったけど、次の機会には伸びてくると思う。私も負けないよう、2人とも頑張っていけたら」と妹の成長を期待。梨紗前女流棋聖も「相手が姉なので、タイトル戦なのにちょっと気合が入らなかった。もうちょっと気合を入れられたら良かった」と振り返りました。

歴史的な姉妹対決の系譜

囲碁界の姉妹対決としては、20世紀後半に活躍した杉内寿子九段、故本田幸子八段、楠光子八段の3姉妹によるタイトル争いが有名です。1980年代には女流本因坊戦や女流鶴聖戦で姉妹対決が何度も実現し、それぞれが多数のタイトルを獲得しています。一方、将棋界では実の兄弟姉妹によるタイトル戦の例はありません。

3月には国際棋戦「センコーカップ」にそろって出場予定の上野姉妹。今回の歴史的な対決を経て、さらなる飛躍が期待されます。

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