伊藤有希、葛西紀明監督の思いを胸に五輪の空を飛躍
2026年ミラノ・コルティナオリンピックのスキージャンプ競技は、2月15日に女子個人ラージヒル(LH、HS141メートル、K点128メートル)が行われ、日本勢では丸山希選手(北野建設)が合計257.0点で8位と健闘しました。一方、伊藤有希選手(土屋ホーム)は14位、勢藤優花選手(オカモトグループ)は15位、高梨沙羅選手(クラレ)は16位と、メダル獲得には至りませんでした。優勝はアンナオディネ・ストロム選手(ノルウェー)が獲得し、ノーマルヒルと合わせて今大会2冠を達成しました。
伊藤有希選手の奮闘と葛西監督からの贈り物
伊藤選手は、1回目に119メートル50、2回目に117メートル50を飛び、14位という結果に終わりました。4度目の五輪出場を終えた伊藤選手は、「メダルは取れなかったけど、4大会でさせてもらった経験と携わってくれた全ての方が、金メダル以上に大切だと感じた」と振り返り、長年のキャリアへの感謝の念を語りました。
特に、今大会で初採用されたラージヒルには強い思い入れがありました。女子ジャンプが五輪で初めて実施された2014年ソチ大会から出場を続ける伊藤選手は、「当時はノーマルヒルだけだった」と述べ、北京大会での混合団体、そして今回のラージヒルと、競技の発展を切り開いた先輩たちへの敬意を表明しました。
注目されたのは、伊藤選手が着用した緑色で鳳凰が描かれたヘルメットです。これは、今大会の出場を逃した師匠である葛西紀明監督から、今シーズン開幕前に贈られたものです。伊藤選手は、「監督の気持ちも一緒に五輪の空を飛べて心強かった」と語り、葛西監督のサポートに感謝の意を示しました。最後には、テレビカメラに向かって笑顔で「応援ありがとうございました」と締めくくり、ファンへのメッセージを送りました。
勢藤優花選手の悔しさと成長
勢藤優花選手は、110メートル台後半を2回そろえて15位となり、「自分に向き合って飛ぶことができた」と振り返りました。3大会目の五輪では、メダル獲得への強い思いから宿舎でも緊張がほぐれず、会場に来ると体調を崩す状態が続いたと明かしました。それでも、「4年間たくさんの方に支えてもらい、学びがあった。悔しい五輪ではあったけど目指してよかった」と涙を流し、挑戦の意義を強調しました。
今回の大会は、日本勢にとってメダル獲得こそ叶いませんでしたが、伊藤選手や勢藤選手をはじめとする選手たちが、それぞれの経験と成長を語る姿が印象的でした。冬季オリンピックの舞台で、彼女たちが示した精神力とチームワークは、今後の競技生活に活かされることでしょう。