サッカーJ1・鹿島アントラーズが、鹿嶋市内のクラブハウスを隣接する潮来市へ移転する検討を開始したことを受け、潮来市の動きが活発化している。市は地域活性化を見込み、数年前から誘致に向けてクラブとの調整を重ねてきた。
補正予算案に調査委託費を計上
潮来市の原浩道市長は1日、定例記者会見で、クラブハウス移転に関する調査委託費2542万円を計上した補正予算案を6月の市議会定例会に提出することを明らかにした。原市長は「移転検討は大変喜ばしい。利便性向上や渋滞対策、観光振興などにつながる施設を整備していきたい」と述べた。調査委託費は移転の実現可能性を調査し、事業費の算出やスケジュールの検討などに充てられる。
誘致の経緯と背景
潮来市は旧潮来町時代のJリーグ発足期からホームタウンの一角を担ってきた。2022年にはクラブの新スタジアム構想で誘致に名乗りを上げたが、2023年5月に長年本拠地だった鹿嶋市での建設が決まった。しかし、少子高齢化や人口減少で地域の衰退が進む潮来市はあきらめず、高速道路による東京との交通利便性を生かした施策に力を入れ、2024年3月に策定した地域連携拠点整備基本構想でクラブ関連施設の誘致を目標に掲げた。
2025年6月には基本構想を具体化させる提案書を提出。提案を受け、クラブは施設の老朽化や育成施設の拡張などの課題解決が見込めると判断し、クラブハウス移転構想が動き始めた。
移転候補地とパークアンドライド構想
移転先の候補地は東関東道潮来インターチェンジ(IC)付近。現在、潮来ICから鹿嶋市のスタジアムへ向かう際、両市を結ぶ神宮橋や新神宮橋などで長い渋滞が発生していることを受け、マイカーをクラブハウス周辺に止め、バスでスタジアムへ向かう「パークアンドライド」も検討する。市は管理棟やサッカー場など約14ヘクタールの整備を想定している。
今後のスケジュール
潮来市とクラブは今後、移転の具体的内容を検討し、2027年2月に最終決定する予定。施設規模や事業費などをクラブと協議し、2031年度の完成を目指す。
鹿嶋市の反応
一方、現クラブハウスのある鹿嶋市の田口伸一市長が移転反対を公式に表明したことを受け、原市長は会見で「ちょっと驚いた。鹿嶋市なりに思いがあるのだろう。だが降って湧いた話ではなく、クラブや鹿嶋市には段階を踏んで説明してきた」と語った。今後は両市とクラブの関係者間でコミュニケーションを取っていくという。



