水戸ホーリーホック本拠地移転が条件付きで決着、水戸信金スタジアムへ2026年から
水戸ホーリーホック本拠地移転が条件付きで決着

水戸ホーリーホックの本拠地移転問題が条件付きで決着、新拠点は水戸信用金庫スタジアムに

茨城県は2月27日、サッカーJ1・水戸ホーリーホックが今季から本拠地を水戸信用金庫スタジアム(笠松運動公園陸上競技場・那珂市)へ移転することを認めたと正式に発表しました。長らく迷走を続けてきた本拠地移転問題は、県がクラブ側に様々な義務を課す「条件付き」での決着となり、新たな章が開かれます。

J1昇格に伴う本拠地問題の背景と移転の経緯

水戸ホーリーホックは昨季、初のJ2優勝を果たして念願のJ1昇格を達成しました。しかし、従来の本拠地であるケーズデンキスタジアム水戸(水戸市立競技場・水戸市)の収容人数は1万2000人であり、J1基準で求められる「収容人数が1万5000人以上」という条件を満たしていませんでした。このことが本格的な本拠地移転検討の直接的な契機となりました。

移転を巡る調整過程では、昨年末にクラブが県に正式打診する前に移転希望が報道され、大井川知事が不快感を示すなど、紆余曲折がありました。2月27日の記者会見では、知事が「もし条件を順守できない場合は利用を認めないこともある」とクラブの小島耕社長に厳しく釘を刺す場面や、小島社長が苦笑いする様子も見られ、緊張感が漂いました。

新本拠地の条件とクラブが負う義務の詳細

新本拠地となる水戸信用金庫スタジアムは、陸上競技など多様な大会が開催される施設であるため、利用に当たってクラブは県および茨城陸上競技協会と覚書を交わしました。クラブが約束した主な条件は以下の通りです。

  • スタジアム改修費の自己負担:施設のアップグレードに必要な費用をクラブが負担します。
  • 交通渋滞対策の実施:試合日などの混雑緩和に向けた具体的な計画を策定し実行します。
  • 他団体との調整の徹底:陸上競技協会など他の利用団体とのスケジュール調整を円滑に行います。

これらの条件は、県がクラブの運営能力を試すとともに、地域への影響を最小限に抑える意図が込められています。

新スタジアムの課題と今後の展望

新本拠地には、交通の便がよくないという課題も指摘されています。クラブが利便性向上にどのように取り組むかが今後の重要な焦点となるでしょう。小島社長は「周辺の企業や事業者と協力してこれから具体的に動いていく」と述べるにとどまり、詳細な計画は今後に委ねられています。

地域の反応は様々です。新本拠地が位置する那珂市の先崎光市長は「J1チームの拠点となることは大きな励みになる」と歓迎の意を示しました。一方、従来の本拠地がある水戸市の高橋靖市長は「やむを得ないという思いもあるが、今後の水戸市の観光や経済に与える影響を考えると残念と言わざるを得ない」と複雑な心境を語りました。

長年の水戸ファンである水戸市在住の51歳女性会社員は「スタジアムがどこであろうと応援する」と熱いエールを送り、クラブへの変わらぬ支持を表明しています。この移転が地域経済やファンコミュニティに与える影響は、今後注意深く見守られることでしょう。